2018-01-01から1年間の記事一覧

フランスの最も美しい村ーLarressingle

23日目の5月31日、猫の村La Romieuを出発。途中Condomコンドンと言う比較的大きな街に出会う。出迎えたのは四人の騎士でその中の一人はダルタニャン。そうです、アレクサンドル・デュマ創作の"三銃士"の主人公です。ダルタニャンという実在の人物がいてその…

フランスで最も美しい村ーAuvillar

ガロンヌ運河の遡行を楽しんで暫く進むと小さな集落Espalaisに出会う。トリコロールの国旗と背後のサン・ピエール教会が今フランスにいるという事を実感させる。 雨で色づいたガロンヌ川を横切ると今日の宿泊地フランスで最も美しい村のAuvillarオーヴィラー…

フランスで美しい 村ーLauzerte

19日目、5月26日の宿泊地は標高200m弱の山上の要塞都市Lauzerteロゼルト。12Cに開かれた村で人口は約1,500人。吉村氏によると「活況を呈した巡礼街道沿いの村はフォアグラや果物の名産地」とある。 坂道をの登りきりまずは中心部の広場に入る。 広場を眺め回…

日本橋は燃えているか

今、パリは燃料費増税反対のデモで燃えている。数ヶ月前、フランスを訪れた時空港建設反対で、SNCF(フランス国鉄),Air Franceのストに出くわしあたふたしたのを思い出す。3ヶ月に渡る計画的かつ散発的ストにも拘らず市民の冷静な対応には感心させられた。生…

光を捉える

東京都写真美術館の写真展「建築×写真 ここのみにある光」に出かけた。旅の中で私は多くの建築物を写真に収めてきたが、著名写真家はどのように捉えてきたかを見てみたかった。 展示物自身は流石に目を瞠るものであったが、正直なところ写真というより建築物…

神楽坂再訪

新宿区の妙正寺川、神田川沿いには、綺麗な水を求めて江戸時代から染めの職人の工房が集まり、現在も江戸小紋等の伝統を継承し、地域産業「染めの王国・新宿」として息づいている。 新宿区染色協議会は毎年「紺屋めぐり」と銘打ち、工房の見学、体験、展示の…

フランスで最も美しい村ーSaint-Cirq-Lapopie

「ル・ピュイの道」のFigeacとCahorsの間にはメインルートの他にCele川の畔を歩くオルターナティブルートがある。時には水辺を歩きたいとの思いと共に「フランスの最も美しい村」で人気の高いサン・シル・ラポピーを覗いてみたいと言う野次馬根性で後者の道…

フランスで最も美しい村ーConques-2

吉村氏はコンクを「渓谷をゆく巡礼者たちの休憩地、人々の信仰を集めた重厚な教会」と紹介しているが、村を出る時ロット渓谷を横切る以外この辺りでは渓谷とは縁がなかった。そして、サント・フォア修道院も重厚というよりもひっそりと佇んでいたという印象…

フランスで最も美しい村ーConques-1

巡礼10日目の5月18日「美しい村」コンクに向かう。 3日連続の「美しい村」である。最近は日本からのツアーに組み込まれ嫌な予感がする。 谷間にひっそりと佇む村の為、自動車道を外れ急で足元の悪い山道を300m近く一気に下る。一寸不安になった頃村役場Mairi…

フランスの最も美しい村ーEstaing

巡礼路で手に入れた地図を見ていて前回紹介したサン・コーム・ドルトの地図を見つけた。要塞都市として紹介したがその様子がよく分かる。12Cに荘園主の邸宅(4)が建てられ、その後周辺との紛争があったのであろう15〜16Cにサン・ダミアン教会(3/前回のサン・…

フランスで最も美しい村ーSaint-Come-d'Olt

ル・ピュイの道を歩き始めて7日目の5月15日。前日は世界遺産に指定され花の咲き乱れた"Aubracの荒野越え"が季節外れの雪で辛い雪中行軍となってしまったが、高度が1,300mから一気に300m台に降ったせいもあり小雨の中の歩行となった。昼前、頂部が捻れた教会…

フランスの最も美しい村- 1

世の中に氾濫している可愛いとか美しい、更には最〇、最〇級といった修飾語に素直になれない 。とは言いながら先週はうっかり最〇〇について語ってしまった。 ところで、巡礼にあたっての事前の調べでフランスには「フランスの最も美しい村」なるものがある…

姑のクッション

TVでフランスの旅番組をチラ見していた時道端の黄色い花が映し出された。俗称「姑のクッション」との事。名前が気になったのでインターネットで調べたが見つからない。"ル・ピュイの道"でも色々な黄色い花に出会っていたので撮影した写真を探したが見当たら…

少年は走る

坂の上から少年が駆け下りて来る。 6月7日,巡礼のスタート地Le Puy en-Velayを後にして31日目、残り2日でゴールのSaint-Jean-Pied-de-Portに到着する。Aroue/Arueの宿に滞在している。バスク地方に入ったのだろう地名はフランス語とバスク後の併記である。…

FOUJITA

東京都美術館に出かけた。没後50年藤田嗣治展と銘打っての彼の画業の全貌を展覧する大回顧展である。流石に見応えのあるものであった。 6月10日,サンティアゴ巡礼を終えた翌日ParisからReimsに足を伸ばした。お目当は三大聖堂の一つのランス大聖堂である。因…

Le Puy-en-Velay

2012年初春、私は四国八十八ケ所の巡礼路を歩いていた。それまでの三年間左膝の故障でリハビリの日々を過ごしていた。7割方の回復を果たしその実感を得る為、兼ねてから我がウオーキングの最終目標としていた八十八ケ所に挑戦した。行けるところまで行ければ…

歩くことは捨てること

サンチャゴ巡礼の話をすると「(辛い目をして)何故歩くの」と動機を聞かれる。私は一瞬戸惑いながら「歩くことが好きだから」と答える。 巡礼とは神の恵みを得る為に聖地へ旅することであり、キリスト教徒にとっては義務ではなく、熟慮に基づく自発的行為であ…

ラストウオーク

6月9日,OstabatからSaint-Jean-Pied-de-Portまでの22km弱のラストウオークである。到着後はそのままTGVでパリに入る。13時10分の電車を逃すと次の便ではパリ到着が23時を過ぎる。歩行に要する時間はガイドブックによると6時間40分であり、安全を見て6時前に…

逆歩おじさん

5月28日、Moissacに向けて歩いていると前方から怪しげなおじさんが歩いてくる。ここ数日毎日の様に出会い声を掛け合う関係になっている。しかし、ある時は1人で逆方向から現れ、ある時は女性と共に私の前後を同じ方向に歩いている。 不思議に思い、ある時そ…

カテドラル そして

これ、何かわかりますか ところで、フランスの巡礼では多くの"教会"に出会ったが、キリスト教の信者でない私にも所謂"教会"には大聖堂から礼拝堂まである事が実感できた。そこで、改めてカテドラル/大聖堂とは何者かを確認した。 カトリックでは行政的区分を…

猫はmiauミューと鳴く

日本には猫に因んだ観光資源?が数多く見受けられる。ネコの島(石巻田代島),ネコのまち(尾道/谷中),ネコ神社(浅草今戸神社)そしてネコカフェ。フランス巡礼路にもネコにまつわる村があった。 5月30日、23番目の宿はLa Romieuラ・ロミュー。1062年にローマ巡…

ヴァラントレ橋の悪魔

5月25日,巡礼路17番目の宿泊地は赤ワイン「vin noir」で知られたCahorsカオール。フランス最大のドームを持つ世界遺産サン・テティエンヌ大聖堂がある。 しかし、へそ曲がりの私の興味を引いたのは外壁軒先?の人面群であった。恰も百羅漢像のごとく様々な表…

予期せぬ出来事-5

テレビは連日暑い暑いの連呼。 巡礼路では木陰の無い炎天下を歩く為気温(体感温度)や降雨が気になる。その為今回を含め気温が余り高くなく、降雨量の比較的少ないバカンスに入る前の5〜6月を選んで歩いてきた。それでもスペインでは北部以外では降雨は稀有で…

予期せぬ出来事-4

5月14日一面白一色の荒野を只一人黙々と歩を進めていた。 前々日、フランス人女性2人と共に宿泊地Aumont-Aubracに向け歩いていた時、1人が突然「明日は雪だ」と言った。 空はどんよりとしているものの既に5月に入っておりその時は冗談だと聞き流した。フラン…

予期せぬ出来事-3

長旅をしているとついつい曜日感覚が無くなる。キリスト教圏のフランスでは生活に密着しているBoulangerieパン屋やPharmacia薬局を除いて店舗や飲食店はお休みである。しかし理解に苦しむのはOffice de tourisme観光案内所まで閉まっており慌てることがある…

予期せぬ出来事-2

今回の旅のKEY WORDは時代的には中世(ロマネスク/ゴシック),近世(アール・ヌーヴォー/アール・デコ/パサージュ)であった。そして是非出会いたいと思ったモノをピックアップしていた。しかし予期せぬ出来事?によりその思いが叶わなかったものがある。 「パリ…

予期せぬ出来事-1

帰国から二週間経ち再び日本の泥濘の道を歩き始めた。今回の巡礼行ではこれまでに比し多くの予期せぬ出来事に出会った。旅にはハプニングは付き物だが自前の一人旅では全て自己責任で解決しなければならない。 家を出る数時間前にHISから電話。「気を付けて…

第四十便 6月13日(水) 晴

久しぶりの晴天。 シャルトル大聖堂の顔はランスやアミアンに比して正面はいたって質素。しかし足元の巡礼路のサインにはチョット感動。 今日はストの影響で見所は大聖堂だけであるが、昨日とは逆に滞在時間は4時間。しかしステンドグラスで覆われた堂内に入…

第三十九便 6月12日(火) 晴一時雨

毎日の様にしとしとと降る雨。梅雨の日本を逃れているはずなのに。 地下鉄1号線が動いていない。駅では放送が流されているが分かるわけがない。今日は北駅からアミアンに向かう予定。とっさの判断で雨の中を隣の5号線乗換駅バスチーユ迄歩く。 北駅も古く大…

第三十八便 6月11日(月) 晴一時雨

エアフランスのストでカットしていたVezelayを諦めきれず、Rouen行きを取り止め出かける。宿からGare de Bercyまで雨の中をセーヌ川右岸を歩く。 途中ミッテラン時代のグランドプロジェクト財務省の下をくぐり、遠くに新国立図書館を眺める。そして新たな倉…