2016-01-01から1年間の記事一覧

私が出会った酉

今年最後のブログ。そして年が明ければ酉年。そこでここ数年に出会った酉を振り返ってみた。 熊野古道の酉 中辺路と大辺路の分岐点和歌山県田辺市に「闘鶏神社」がある。名前の由来は、熊野別当の湛増が社地の鶏を紅白に分けて闘わせ、白が勝ったため源氏に…

私の受けたおもてなし

滝川クリステルさんが、「おもてなし」を「ホスピタリティの精神」と呼びましたが、この言葉からも客の都合がないがしろにされていることが窺えます。 Hospitalityの語源は、ラテン語のhospes(客人等の保護)です。それがHospital(病院)、Hospes(ホスピス)と…

落葉

舞い落ちる葉も散り敷いた葉も落葉。どちらも静かな感じがします。この静かさが本意。風にふかれてかすかな音でも立てれば、なおさらです。 「一億人の季語入門」 長谷川櫂 秋の紅葉はいいものだが落ち葉も捨てたものではない。小辺路では紅葉よりも落ち葉に…

伊勢河崎商人館

先々週に引き続き伊勢河崎商人館を紹介する。河崎本通りを進んで行くと道の前方の見通しが利かなくなる。何かの理由で道路がクランクいるが、これがアイストップ効果となりコア施設である商人館へ導かれる。江戸時代創業の酒問屋「小川商店」を市が修復整備…

紅葉を愛でる

晩秋、草木が冬枯れを前にして一瞬、紅や黄に燃え上がる。華やかにして寂しさを含むもの。これが紅葉という季語の本意である。 「一億人の季語入門」長谷川櫂 外国人は紅葉をどう見ているか 「花を見る」という感覚は理解できても、「秋の紅葉を楽しむ」とい…

河崎は、伊勢のまちを支えた「台所」

河崎は、勢田川の水運を活用して伊勢神宮門前町山田・宇治への物資の荷揚げ・問屋・陸送の仲介で16世紀から川の港として栄え、「おかげまいり」の参宮客に物資を供給する「伊勢の台所」として全国に知られた商人町であった。戦後、陸上への輸送手段の転換に…

伊勢市から東京へ

夜行バスで無事バスタ新宿に到着。疲れのせいかトイレ休憩時以外は全くの熟睡。 昨日伊勢市に到着後前回食べ損ねた伊勢うどんを食すべく店を探す。店の人に地元で評判の店を聞くと、親切にも連れて行ってくれた。店の名は「長兵衛」と言って参道から路地に入…

紀伊長島から伊勢市へ

いよいよ最期の歩きで、嘗ての紀伊と伊勢の国境であった「荷坂峠」(242m)を越える。紀伊の殿様の意向はここまで及んでいた。熊野街道本道は「ツヅラト峠」(357m)越えであったが、江戸初期に殿様の領地視察の為なのか、峠越えの楽な荷坂峠が開削され本道と…

上里から紀伊長島へ

始神峠登り口まで小一時間柴田さんとお喋りしながら歩く。あれも空き家、これも空き家。店もどんどん閉まる。しかし何故か理髪店は減らないそうだ。小学生も激減。いい話はない。若者は都会が良いのではない。古里には仕事がない。コネがきく公務員や辛い土…

尾鷲から上里へ

昨日は「庄次屋」の柴田さんに再開すべく上里に到着したが、又々早く寝込んでしまったので以下昨日分を記す。 雨の中のお出迎え 久し振りの雨だが昨日でなくてよかった。今日の馬越峠越えは22の行程で昨日の八鬼山 越え63の1/3。濡れた石畳はつるつるでスケ…

賀田から尾鷲へ

昨日も眠気に勝てず、13日分を夜が開けて書き始めた。 宿は小さな港の釣り客相手の民宿。前回雨に見舞われ行程が遅れ、近所の店で紹介してもらい急遽宿泊した。食事と主人のキャラクターが気に入り、今回もお世話になった。 そこで夕食のメニューであるが 前…

熊野市から賀田へ

昨日は宿への到着が遅く、夕食に時間をかけた結果睡魔に襲われ、昨日分を今日の朝に書いています。 昨日は本宮大社からバスと電車で熊野市にやって来た。新宮の乗り換え時間は一分。走って駅に駆け込んだが途中で財布を落としたのに気付き、取りに引き返す。…

果無集落を通って本宮大社へ

熊野古道「小辺路」は麓集落から1,000m強の峠を越えると言うパターンを繰り返して進む。 高野山/\大股/\三浦口/\十津川温泉/\本宮大社 おまけに谷筋が急峻で、尾根筋に取り付くまでと尾根筋からの下りは足元の悪さも加わって難儀をする。 今日は観光客…

三浦峠を越えて十津川温泉

朝食にはお母さんが実家から調達した新鮮で大きな卵。何よりの御馳走であった。お弁当はでっかいめはりずしに手書きの手紙。素朴であるが行き届いたおもてなし。その気になったら是非訪れてほしい。「農家民宿政所」 今日は標高400mから1,080mの三浦峠を越え…

日本二百名山伯母子岳

8日の記事です。 今日の宿は築300年の農家民宿。立派な薬医門を抜けると質素な外観の民家。屋内も特別な装飾はないがガッチリした柱梁が歴史を感じさせる。ここで77才の母とその息子夫婦が二間に客を泊めている。二組六人までであり、テレビで紹介されたこと…

女人道から小辺路へ

天気予報通り昼前から雨。今夜の宿は参詣道を外れている上、ドコモ以外は通話不可の為、バス停脇の公衆電話で迎えを依頼する。この電話、観音開きの箱に入っておりダイアルはジーコジーコ。宿について濡れた衣服を着替え洗濯を済ませ、近くの温泉に出かける…

真田丸から空海へ

夜行バスで大阪難波到着。三列座席のフルリクライニングで熟睡できた。スペインでは巡礼の後はもっぱら長距離バスを利用してあちこち移動していたので苦にならない。あちらでは夜行バスでも普通の観光バス仕様で、おまけにランドアバウトでしばしばツイスト…

Legacy/Heritage/遺産

最近のオリンピックレガシー論議にはうんざりである。まるでレガシーと言う遺産を後世に残すことがオリンピックの目的でもあるかとの錯覚を起こす。オリンピック憲章に "To promote a positive legacy from the Olimpic Games to the host cities and countr…

ガウディを訪ねてを終えて

念願のガウディ作品の訪問を終え、感じたことを写真の助けを借りながら文章にしてみた。多くの出版物や映像で紹介されているので、出来るだけ自分が見たものを写真で、感 じたことを文章で表現してきたが、生半可な知識、平凡な感性、そして貧弱な文章力で、…

美術鑑賞大国ニッポン

上野の東京都美術館で開催中の「ゴッホとゴーギャン」展に出掛けた。毎月第三水曜日は"シルバーデイ"として65歳以上の人に対して都の美術館が無料開放される。スペインでもプラド美術館を初め多くのMUSEOが色々な形でこのようなサービスを実施しており、方々…

ガウディを訪ねて 19-グエル館 20150703

屋上に出るとカサ・ミラやカサ・バトリョでお馴染みの尖塔群のお出迎えである。尖塔は機能としてはそもそも煙突や換気塔であるが、当時は余り関心が払われていなかった屋上空間にこのような造形を持ち込んだのは何故だろう。 この発想は此処が原点であるが、…

ガウディを訪ねて 18-グエル館 20150703

バルセロナも今日で5日目で、午後にはRenfeでローマ人が造った都市タラゴナに向かう。最後のガウディは宿に近いグエル邸(1886〜1890)。 宿に荷物を預け開館までの時間に葉巻型のオフィスビル"トラ・アクバル"と鏡面ガラス天井の"エンカンツ市場"へ。 別邸の…

ガウディを訪ねて17ーカサ・ミラ 20150702

カサ・ミラにも多くの見所があったが、最も印象に残っているのは二つのエントランスに描かれた壁画と天井画である。 賃貸住宅用のアメーバを思わせる鍛鉄製の扉を潜ると弱々しいランプの光に幻想的な世界が浮かび上がる。洞窟にでも迷い込んだか、それとも何…

ガウディを訪ねて16ーカサ・ミラ 20150702

カサ・バトリョ見学の後、モンタネールのモレラ邸のツアーに参加、昼食を済ませて13時予約のカサ・ミラに向かった。実業家ペレ・ミラが同じグラシア通りに完成したバトリョ邸を見てガウディに設計を依頼した高級住宅である。(1906〜1910)ガウディの最後の住…

足元の出会い

広島カープのセリーグ優勝がほぼ確実になるや地元の過熱ぶりがTV報道され、その中でカープ坊やをモチーフにした強烈な赤色のマンホール が目に入った。 広島市のHPを覗くと観光資源の一要素としてか、幾つかのエリアで千羽鶴、もみじ、鯉といった市ゆかりの…

ガウディを訪ねて15-カサ・バトリョ 20150702

カサ・バトリョは当時の都市建築である。日本では一階にあたるgroundfloorは貸店舗、二階にあたるfirstfloorは自邸、そしてsecondfloorから上を住宅として賃貸していた。エントランスを入ると右手に賃貸住宅用のエレベーターと階段がある。さらに奥に進むと…

ガウディを訪ねて14-カサ・バトリョ 20150702

嘗ては、建築に携わっているものは誰もが一度は実物を目の当たりにしてみたいと思っていたガウディの作品も、今やバルセロナ観光の定番コースとなっている。特に市街地部の主要作品は時間別に入館者を制限しており、運が悪ければ外から見上げて次へとなりか…

ガウディを訪ねて13-コロニア・グエル教会20150701

前方のゲイトにむかう。金属板に数カ国語で教会を意味する単語が切り抜かれており、ここにも当然の如く「教会」の文字が並んでいる。正面に廃墟のような佇まいが目に入る。 グエルの依頼で1898年に ガウディは設計に着手した。しかし、後年グエルの病気と資…

ガウディを 訪ねて 12−コロニア・グエル20150701

モンセラットを後にし再びカタルーニア鉄道でバルセロナに引き返す。途中各駅停車に乗り換えコロニア・グエル駅で下車。自動の改札機とチケット販売機 だけの無人駅。前回、時間不足で断念し心残りであったコロニア・グエル教会にやっとめぐり合うことができ…

獣害?

テレビで動物による農作物への被害対策につきレポートしていた。被害額は全国で年間200億円に及ぶとの事。特に猿はどんな物理的対策も効果がなく、最近はIT化対策まで考えられている。南アルプス市では群れの中の一匹を捕まえGPSを取り付けて放し、群れが近…