フランスで最も美しい村ーAuvillar

 ガロンヌ運河の遡行を楽しんで暫く進むと小さな集落Espalaisに出会う。トリコロールの国旗と背後のサン・ピエール教会が今フランスにいるという事を実感させる。

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雨で色づいたガロンヌ川を横切ると今日の宿泊地フランスで最も美しい村のAuvillarオーヴィラールに到着。

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例によって高台の住居兼用の城壁に囲まれ住人200人強のこじんまりした要塞都市である。

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広場傍のOffice de tourisme観光案内所に行くが、communal公営巡礼宿のチェックインは13時半との事。今日20日目の5月28日の歩きは約20kmと短距離の為未だ12時である。目の前の円形市場で持参のバゲットの昼食を摂りながら待つこととする。月曜日という事もあり市場は開いておらず人っ子ひとり見当たらない。

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宿の前に行くと多くの荷物を積んだバンが停まっている。身軽で歩きたい巡礼者の荷物を宿から宿へ運んでくれる運搬車である。これを利用すれば楽だとは思うが律儀な日本人の私は10kgの荷物を担いで歩く。

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宿での一仕事の後村のブラつきに出かける。鐘楼の傍に二つの小さな尖塔を持つ珍しい形態の教会に出会う。

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堂内は質素な佇まい。

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上階に上がると目の前にお気に入りの甍の波が展開する。

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円形市場と共に村のシンボルとなっている時計塔は村の正門らしい。壁面の赤白のボーダー柄は村内のあちこちで見かける。この辺りの建築様式だったのだろうか。

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明朝にはここをくぐって次の宿泊地ヘ向かう。

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原発大国のフランスでは冷却水と用地の確保の関係から原発は内陸部の大きな河川の傍に立地する。手前の花の赤い色に何かを感じさせられる。

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広場に戻り円形市場の屋根を見上げると小さな人形。

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近くには母と子が長椅子で微睡んでいるらしきストリートファニチャー。後ろに銘板があり、辞書を牽いてみると"青い甘草の芸術"となるが。しかし、誰にも出会わず静かに過ごした小さな村の1時間とこのアートが繋がっているように感じ、かってに"微睡みの村"と名付けた。

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夜中に尿意をもようしトイレに向かった。そして目の前に見たものは枕元に蠢く現代の怪物であった。

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吉村氏は「巡礼の休憩地として栄えた村、円形市場で出会う村人の暮らし」と述べているが、嘗ての繁栄の片鱗は見かけたが、残念ながら現在の村人の生活感は感じらlれなかった。