私が出会った酉

今年最後のブログ。そして年が明ければ酉年。そこでここ数年に出会った酉を振り返ってみた。

熊野古道の酉

中辺路と大辺路の分岐点和歌山県田辺市に「闘鶏神社」がある。名前の由来は、熊野別当の湛増が社地の鶏を紅白に分けて闘わせ、白が勝ったため源氏に味方し、熊野水軍を率いて壇ノ浦に出陣したと「平家物語」に記されている。

今年の秋に世界遺産紀伊山地の霊場と参詣道」に仲間入りした。静かな佇まいであったが・・・・・

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2016/5/25

 

 伊藤若冲の酉

ムックで出会った「群鶏図」を直に目にしたいとの思いで、上野で開催中の"伊藤若冲生誕300周年展"に出かけた。「群鶏図」はホール内に展開する「釈迦三尊像」と「動植綵絵」の中でもひと際輝いて見えた。今にもコケコッコーと羽ばたきそうな生き生きとした描写、そして粋な色使い、さらには予想を超えた大画面に暫くの間身動きできなかった。

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2016/4/28

 

バルセロナの酉

バルセロナと言えばガウディとくるが、彼のライバルであったモンタネールも忘れてはならない。グラシア通りに並び建つモレラ邸は、外観こそカサ・バトリョに一歩譲るが、華やかに彩られたインテリアは逆転リードかも知れない。建物奥の家族用サロンの円形窓にはスペイン版の「群鶏図」。バルセロナを訪れるなら何とか時間を工面して足を向けることをお勧めする。

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2015/7/2

 

ポルトガルの酉

ポルトの北のバルセロスに伝わる伝説「丸焼きにされた雄鶏が聖母マリアの奇跡で起き上がり、無実の罪で縛り首になった青年の命をコケコッコーと鳴いて救った」に基づき、今や雄鶏はポルトガルの国鳥になっている。ガロと呼ばれ"奇跡と幸せを呼ぶ"と言われており、そのご利益を願ってきたが現時点では確認するに至っていない。

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2013//5/19

 

教会に住んでいる酉

サンチャゴ巡礼路「フランス人の道」のブルゴス手前のサント・ドミンゴ・デ・ラ・カルサーダのカテドラルの中ではつがいの鶏が飼われている。無実の罪で絞首刑になろうとした巡礼者一家の息子が、丸焼きのニワトリが鳴き声を上げることにより救われたと言う聖ドミンゴの奇跡を讃えての慣わしだそうだ。どこかで聞いたような話である。

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2012/9/8

 

 では、良いお年を