ガウディを 訪ねて 12−コロニア・グエル20150701

モンセラットを後にし再びカタルーニア鉄道でバルセロナに引き返す。途中各駅停車に乗り換えコロニア・グエル駅で下車。自動の改札機とチケット販売機 だけの無人駅。前回、時間不足で断念し心残りであったコロニア・グエル教会にやっとめぐり合うことができる。

駅から歩道上に記された足跡を辿り教会のある街中に向かう。

コロニア・グエルはグエルが自分の繊維工場で働く人々に豊かな生活空間を提供しようと創り上げた理想郷である。コミュニティに不可欠の教会の設計はガウディに依頼した。コロニー自体の計画にガウディ本人は関与していないが彼の弟子が当たっている。

案内所に向かう前方に共同住宅が現れる。シンプルな佇まいであるが期待感が高まる。

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案内所でリーフレットを求めるとなんと日本語版が差し出される。喜ぶべきか複雑な心境である。

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 教会は勿論であるがコロニアについても大いに興味があったが、事前の情報が少なかったのでここで街に関する説明を聞く。近くの小綺麗なレストランで地元の人に混じって遅い昼食を済まし街歩きを始める。地元の人はちらほら見かけるが観光客は全く目に入らない。普通の観光客にとって教会以外は興味が無いのか。

 

スペインの有名建築家による邸宅も散見される。

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コミュニティに必要なコミュニティセンター、学校、劇場等々も備わっている。

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 学校と教職員宿舎

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 コミュニティセンター

 

そしてこれも欠かせない旧生活協同組合のワイナリーも忘れられていない。

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色々な建築家が関与しているにもかかわらず各々が自己主張せず、デザインモチーフ、建材そしてカラー等統一感が見て取れてそぞろ歩きの心を和ませる。まちづくりのベースにガウディの目指しているものが巧まずして取り込まれているのであろう。

そして、家並みの外れの緑の中に教会のサインを見つけた。 しかし、そこには教会らしきものが見当たらず、観光客らしき人影も見ることが出来ない。いや、一人いた。

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ここまでやって来た観光客の大半の方はこのコロニアについて知らないし、関心も示さないのでは無いかと思う。でも、少し時間の余裕を持ってブラリと横道に逸れてみてはいかが。私もグエルが目指した理想郷の生活の一端に触れるべく、もう少し余裕を持って訪ねてくればよかったと思った次第である。