2019-01-01から1年間の記事一覧

石垣を読む

テレビでお城の石垣の話をしていた。上にゆくほど反り返る勾配を描いている。この線形には二つの意味があり、一つは敵が登りにくくし敵の侵入を防ぐ、二つ目は内側からの圧力を外部に逃して石垣に強度を加えるためと言う。結果として美も生み出した。 熊本城…

お急ぎの方

24日、建築界のノーベル賞と言われるプリツカー賞の磯崎新氏への授与式がヴェルサイユ宮殿で行われた。その数日前、氏の「東京は首都たりうるか」と題するトークイベントが開かれ、市ヶ谷の法政大学に出かけた。時の人という事もあり大盛況であった。"消す"…

Le Japonの宿 L'Alchemiste

国内の書店で入手可能なサンチャゴ巡礼のガイドブックは "フランス人の道"の「聖地サンチャゴ巡礼」(ダイヤモンド社)のみである。そこで、巡礼に出かけるにあたってはアマゾンで探すこととなる。従って運良く見つかっても英語版、ドイツ語版、フランス語版で…

時速5kmの旅

NHKのBS3で運河の旅に出会った。フランス人夫婦がリタイアを機にパリからオランダのロッテルダムまで1ヶ月800kmの運河クルーズに出かける。ミッシェルは16歳で造船所の見習いとなり46年間船を造り続けた。退職5年前から休みの日を利用し、それまでに蓄えた2,…

色 いろいろ

毎朝ラジオを聴きながら歩く。前日のTBSラジオのニューストーク番組"荒川強啓のデイキャチ"をラジオクラウドで聴きながら。ところが3月末で突然の番組終了。人気番組であっただけに何かを感じさせる。止む無く"荻上チキSession22"と二人同行。この番組もいつ…

Boulangerieの宿 Boulangerie Brousse

巡礼29日目の宿は人口1,800人弱の小高い丘の上の村Arthez de-Bearnである。ガイドブックの宿のリストで"Boulangerie"のワードを見かけ、もしやパン屋の宿ではと即インターネットで予約した。8ベッドと極めて小規模 で、相部屋ではあるが宿泊13€/朝食5€/夕食1…

旅の楽しみ

先々週、ギャラリー「間」に向かうところで終わったが、目的は開催中の「夢のジオグラフィー」である。スペインはバルセロナの北方の片田舎の古民家で三人の建築家が設立した建築スタジオRCRの活動を紹介する展示イベントである。迂闊にもRCRを今回初めて知…

五月の雪

先週、箱根で季節外れの雪のニュースが報じられた。ここ数年の天候不順を思えば別段疑問の余地はない。 昨年フランスで季節外れの雪に襲われた。巡礼行4日目の5月12日、途中同行した二人連れのフランス人女性が突然明日は雪だと言う。私の語学力では詳しく確…

街中での出会いー癒しの場

前回に続きFUJIFILM SQUAREからTOTO ギャラリー「間」向かう。TOTOが企業文化活動の場"建築とデザインの専門ギャラリー"として一般に公開している。その途上、都心には珍しくゆったりとした敷地に小振りな白い建物を見かけた。 「EQ House」のサインがある。…

桜開花

連日、早朝のお花見を愉しんでいる。石神井川沿いのウオーキングコースはメジャーではないが立派な?桜並木である。日の出前の往路は夜桜。そして、日の出後の復路では薄青色の空にサクラ色の花々が浮かび上がる。歩を進めながら独り占めのお花見を満喫する…

続 変わらない美・変わりゆく美

東京国立博物館平成館の企画展は質の高い展示で多くの人を集めているが、「日本の考古」 と題した常設展はあまり知られていない。今回はそちらに足を向けた。最近縄文土器が美の対象として関心を集めているが、考古と言えばどうしても歴史の対象となる。然し…

変わらない美・変わりゆく美

gggに出掛けた。DNP(大日本印刷) が創業の地である銀座に設立したグラフィック専門のギャラリーのギンザ・グラフィック・ギャラリーである。NHKの日曜美術館のアートシーンがここで国や都市の地図をモチーフにしたシルクスクリーン作品の展示会の紹介してい…

Armagnacの宿

「ル・ピュイの道」の巡礼行は32日であったが、前後の寄り道を加えて39泊41日の旅であった。巡礼中の宿は主としてGiteと言われるフランス版のお遍路宿であり、ベッド数は大半が10〜20と小規模で、男女共同のドミトリータイプである。食事を提供する家族経営…

旅での出会い 建築

先日建築家の磯崎新氏がプリッカー賞を受賞したというニュースに接した。建築のノーベル賞と言われ、建築に関心のあるものにとっては喜ばしい出来事である。ハイアットホテルのオーナーが設立したハイアット財団が1979年から毎年一人の建築家に授与している…

フランスの最も美しい村ーVezelay4

帰りのバスまで十分の時間があり、大聖堂への参道を再び目的もなくぶらりぶらりと登って行く。到着時には大聖堂を目指していた為、無意識に眺めていたものが見えてくる。両側の建物は古いものに手を加えたもので違和感を抱かせる新しいものは見当たらない。…

フランスの最も美しい村ーVezelay3

外に出て聖堂の側面を見上げると軒の部分にも彫刻が並んでいる。 よく見ると人や動物の顔の様に見えるがどれも異様な容貌である。遥か彼方のシルクロードのあたりに住む想像上の怪物で、一種の魔除けらしくユーモアに溢れた表情は、柱頭彫刻同様飽かず楽しま…

フランスの最も美しい村ーVezelay2

南の扉口を入ると薄暗いナルテックス(玄関の間)。前方にイスラムを思わせる濃淡二色の石組みアーチの身廊が延びる。 振り返ると中央扉口の裏にタンパンが浮かび上がる。これこそがロマネスク彫刻の白眉とされるタンパンらしい。 近づいて見上げるとまさに「 …

フランスの最も美しい村ーVezelay

Vezelayヴェズレーについては昨年の6月11日に現地からブログをアップした。しかし、今回改めて訪問記録を残しておく。何故ならば、単なる美しい村であるに留まらず、フランスのロマネスクを語る上で避けて通れぬのみならず、フランスの四本の主要巡礼路のひ…

フランスの最も美しい村ーSt.Jean Pied de Port

6月8日のラストウオークについて昨年の9月1日にアップしたが、目的地のSt.Jean Pied de Portサン・ジャン・ピエ・ド・ポーも美しい村であった。サンチャゴ巡礼の銀座通り"フランス人の道"のスタート地点であるが、フランスの主要巡礼路四本のうち三本のゴー…

フランスの最も美しい村ーNavarrenx

ゴール真近、29日目の6月6日(水)。3日連続の30kmオーバーのウオークで宿泊地であるNavarrenxナヴァランクスに到着した時は既に6時半を過ぎていた。だが、迎えてくれた並木が疲れを忘れさせた。 現在の要塞都市は16Cにできあがったが、その端緒は1Cまで遡ると…

フランスの最も美しい村ーMontreal du Gers

6月1日。途中、美しい村Montreal モンレアルを通過する。モンレアルはカナダに渡ってモントリオールとなったらしい。吉村氏は「この地方最古の"バスティード"、近くにはローマの遺跡も残る」と素っ気なく紹介している。バスティードとは13〜14Cに造られた新…

天空のロマン

今回は星の話 正月は2日午前4時半、何時ものように早朝のウオーキングに出かける。玄関を出て東の空を見上げると鎌のようなシャープな三日月と薄黄色のキラリと光る一つの星が目に入った。空を眺める事はよくあるが、なんとなくといった感じで、特段の感慨も…

平成最後の年明け

明けましておめでとう御座います 無事、平成最後の年明けを迎えることができました。恒例の歩き初めから今帰ってきました。 毎朝のウオーキングコースの折り返し点の公園の初日の出です。初日の出に限らず、日の出を眺めていると、体内に活力が漲ってくるの…