天空のロマン

今回は星の話

正月は2日午前4時半、何時ものように早朝のウオーキングに出かける。玄関を出て東の空を見上げると鎌のようなシャープな三日月と薄黄色のキラリと光る一つの星が目に入った。空を眺める事はよくあるが、なんとなくといった感じで、特段の感慨も抱かなかった。しかし今回は暫くの間見とれていた。 

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冷え込んだ冬空に寄り添うように佇む姿は一片のドラマを感じさせた。

月は月であるが星は何者か。ウオーキングを終えインターネットで調べると、なんと明けの明星の金星であった。そして、夕方に現れると宵の明星で一番星とも呼ばれるとある。そう言われればそうだったと改めて納得した。今でも空を見ることがあるが、いつの間にか眺める事は無くなった。

学術的な解説が続くが読むに従って心に抱いていた感動が薄れるのを感じスマホを閉じた。

翌朝、再度の出会いを期待して空を見上げた。あれ!なんと彼らの間が広がっているではないか。

月が左下方に移動していた。

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更に翌朝、月の姿が見えない。周りを見回すと月は更に左下方に大きく移動していた。

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そして、5日の空からは月は姿を消していた。ドラマは終わったのだ。因みに三日月と明けの明星の間のやや暗い星は木星で、二人の出会いと別れを静かに見守っているようだ。

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天空に演じられたドラマをしばしの間味わうことができた。天体現象としてこのドラマは繰り返されるのであろうが、今度はいつ演じられるのか調べる気持ちはない。ある日突然に出会うのを期待しながら、空を見上げながら今後も早朝のウオーキングを続けて行く。

 

同じ頃、偶然にも原田マハの短編「星がひとつ欲しいとの祈り」を読んでいた。そして

    少し身体を伸ばして、文香は窓の向こうに広がる空を探るように眺めた。

    いちばん星をみつけるには、まだまだ陽が高いけれど、そうしたかった。

と結ばれていた。

 

訂正:先週の国境の日の出はBragancaではなくMonsarazでした。