フランスの最も美しい村ーMontreal du Gers

6月1日。途中、美しい村Montreal モンレアルを通過する。モンレアルはカナダに渡ってモントリオールとなったらしい。吉村氏は「この地方最古の"バスティード"、近くにはローマの遺跡も残る」と素っ気なく紹介している。バスティードとは13〜14Cに造られた新都市で、一人の建設者が単一のユニットとして設計構築された。特徴はこれ迄訪れた自然発生的な要塞都市と異なり、整然としたグリッドパターンで構成されている。ローマ軍が進駐先で造った新都市を見習ったものらしい。街づくりに携わった者としては興味が湧く。

前方にそれらしき家並みが現れた

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しかし、近づいてみると整然とはしているが木造の比較的新しい住宅群である。出会った住人に聞くと新しく開発された住宅地との事。 

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石やレンガで造られた建物を見続けてきたせいもあり、又新しいコミュニティが垣間見えた事も有り、これはこれで面白いものに出会えたと暫くの間集落内をブラついた。

更に進むと直線的な道路に沿った家並みが現れた。建物はそれ程古くはないがここらしい。

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ハーフティンバーの中世のものらしき建物も現れるが、多くはもっと新しいもののようだ。インフラが計画的な為建て替えがし易かったせいなのか。人口は約1,200人。

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然し、現代の車社会には問題ありか。

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そして、ポルチコに囲まれた中央広場に到着。当初のポルチコは木造であったが、今は石造に変わっている。

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金曜日であるがポルチコ内部や広場では市場が開かれていた。曜日の取り合わせのせいか初めて広場で開かれた市に出会えた。地元の人に出会えて生活が感じられいいものだ。ドライフルーツをゲット。

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広場に隣接のゴシックのサン・フィリップ教会に入ると歌声が聞こえてきた。一人の男性がが指揮をし、周りで数人の男女が合唱している。石造りの教会内では独特の残響があり胸に染みる。

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当時の国境近くであったが領主は自らは要塞化する城壁は造らず、住民に税金等で建設させようとした。最終的には住民は城主に費用の拠出させたが、住民は受け取った金で街を飾り立てた為この街には城壁がない。

モンレアルを離れ次の村Lamothedeで教会に入るとここでも歌声が。祭壇の前ではMontrealで出会った一群が声を上げている。指揮者に聞いてみると、途中で出会う教会で歌いながら巡礼をしているのだそうだ。

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聴いた歌がいつまでも頭の中を駆け巡り、テンポが歩行に合ったせいかその後は知らず知らず口ずさみながら歩いた。

 

ところで、フランスの原発について興味深い記述に出会った。

ようするに、他に使いようのない土地、そうゆう所に見渡す限りのブドウ畑と、原発を造っている。仮に福島のような事故があっても、その地方のワインが飲めなくなるだけ。(中略) 何かあっても、日本のようになりません。                     

                                                              "すごいトシヨリBOOK "   池内紀  毎日新聞出版