出会った橋ール・ピュイの道-19

6月10日、午後のTGVでパリへ引き返す。東駅からメトロのLe Peietiere駅に向かい、そこから徒歩でルーヴル美術館を目指して南下しながら、途上のパサージュ巡りである。パサージュとはウイキペディアによると、「複数の通りを接続することを目的に既存の建築物を改築して設けた通り抜け道、歩行者専用道路。18世紀以降のフランスを中心に建設された。通路はガラス製の屋根で覆われている。」とある。最盛期には150を数えたが、19世紀中頃のデパート出現で流行は終息。現在、いくつかの残されたパサージュは修復され再度人気スポットとなっている。

訪問順路はパサージュ・ヴェルドー→パサージュ・ジェフロア→パサージュ・デ・パノラマ→パサージュ・デ・プランス→パサージュ・デ・ケール→ギャルリーヴィヴィエンヌ→パサージュ・グランセール→ギャルリー・ヴェロ・ドダである。

長旅をしていると曜日感覚が希薄になる。気がつくと日曜日で残念ながら店舗はお休みだ。

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ところが、建設時の優雅な内装、ガラス屋根から漏れる淡い光そしてウインドウショッピングが愉しめた。この空間に浸っているとレトロパリにタイムスリップしたかと、不思議な感覚を覚える。

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バカンスを迎える準備なのかあちこちで改修工事が進められている。

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途中のレオミール通りでは、20世紀初頭のアヴァンギャルド建築「パリジャン・リベレ」にも出会える。

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そして、ギマールのアール・ヌーボー「レオミール・セバストポール」。これ又、今では希少価値の高い構造物で、嬉しい遭遇であった。

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更には、でっかい騙し絵まで現れる。思わず階段を登ってみたい衝動に駆られる。

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 続く

 

フランスの首都パリparisは、セーヌ川シテ島に拠点を置いていたケルト系パリシイ族の名に由来している。「パリ発祥の地」とされるシテ島のシテciteとは「市」、ここに住む人はciteainとされ、シチズン「市民」になった。セーヌ川ケルトの川の神の名前に由来し、ラテン語でセクア「流れ続ける」から転訛したとされている。

   「地名の世界地図」 21世紀研究会/文春新書