出会った橋ール・ピュイの道-15

6月5日、ゴールに近づきこの辺りに来るといわゆる観光的見所は少ないが、特色のある 宿に出会える。本日の宿はArthez-de-BearnのBoulangerie Brousseである。つまりパン屋さんの宿である。丘の上の集落に入りパン屋を探すがそれらしい建物が見当たらない。やっとファサードの右上に宿のサインを見つけたがパン屋ではなかった。

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建物の中に入ると男女二人がケーキの箱見本を前に商談をしている。声をかけそびれて暫く見ているとそのまま出て行ってしまった。一人取り残された。その後、二階から宿泊客が降りてきた。オーナーはこの先のパン屋にいるが、上に上がって空いたベッドを使えばいいという。シャワー、洗濯を終えベッドで休んでいると、階下から夕食と声がかかった。パン屋で調理しこの宿にケータリングしている。やっとオーナーに出会えた。まずは受付、清算。宿泊13€、朝食5€、夕食13€、締めて31€。

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料理はパスタサラダ、ポークと野菜の煮付け。バゲットは流石。ワインは飲み放題。背後でオーナーがドヤ顔。向かいからの流し目が気になる。デザートはチョコたっぷりのエクレアと梨のパイのホール。お手の物である。

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食後にわいわいと喋りながら皆が共同で後始末をする。

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翌朝は、途中のパン屋に立ち寄りフレンチトーストの朝食をとった後歩きを開始する。

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前方に期待を抱かせるグリーンホールが現れる。空気が霞んでいてその先に待ち受ける世界の姿は見えない。

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間近になってやっとその姿が現われた。絵本の世界であった。

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さらに進むと、現実の世界に連れ戻されるもう一つの世界が現われた。大西洋沿岸が近づき巡礼の終わりが近づいたことを実感させられる。

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続く

立花さんは、こう語っていました。「自分はあんな奴らに負けてたまるかというのが原動力です。あんな奴らとは、田中角栄とそれを支える全ての人間。積極的な加担者だけでなく消極的に言いなりになった加担者も含めて全部敵だ。」

このエネルギーが今のメディアには欠けています。いや、日本人全体が物分かりのいい国民になってしまったあげく、どんよりした閉塞感に満ちた国になってしまったような気がします。

 「文春の流儀」 木俣正剛(元週刊文春編集長)/中央公論新社