スペイン料理と言えばパエリャ

日本人にとってスペイン料理と言えばパエリャであろう。ところが益野 碧さんの「スペイン・ライフ」においては、オリーブのタイトルの中で300字にも満たない記述である。ところが、"トルティリャ"はタイトル付きで1,000字弱。これでいいのだろうか。いや、これが現地感覚なのかもしれない。

「パエリャはいかにもスペイン的で美しい料理だ」に始まり、材料の説明があり

「パエリャは、重い食事とされているので、ピクルスを添えたり、食前のアスパラガスが出る程度で、この一皿のみで充分といわれる。」と素っ気ない。

ところで、スペインのレストランで注文しようとすると、"2人前から"とくる。せっかくだから2人前を注文すればと思われようが、ご存知のようにスペインでの1人前は日本での2人前に近い。従って一人旅の私は2回ぐらいしか食べた記憶がない。一度は「ポルトガルの道」を歩き通した日に、一緒にゴールしたイタリア人の誘いでフランス人を含めた四人で食べた。大きな平底鍋に豊富な魚介類で、日本での鍋料理を囲む感覚である。

もう一度は「銀の道」のサラマンカの手前の街でイタリア人とパエリャ専門の店での夕食。出てきたメニューに数種類のパエリャが並んでいる。なんとスペイン語に並んで英語、フランス語、イタリア語、ドイツ語に続いて日本語。特段の観光地ではなく、巡礼者の通過は年間約1,200人で、統計から類推するに日本人はその0.5%にも満たない数人に過ぎない。スペイン語が話せない悲しさで、未だ謎のまま。参考までに注文は ボリューム満載の1人前からOKでした。

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Bonos de Montemayorにて     2015/06/06