徒然なるままに

5月20日(金) 新宮市〜熊野那智
        21.6km
昨日案内してもらったNさんもなんと私と同い年。役所で企画関係の仕事をし、リタイア後その流れとご自分の関心事から歴史に基づいた地域おこし活動を続けられている。お聴きしていると非常に造詣が深く世界にまで話が及ぶ。築いた人脈もすごいあまりの博学に私の薄学が付いて行けず申し訳ない思い。でもその熱意は充分理解出来た。執筆された論文も頂いたので帰宅後じっくり読ませていただく。それにしてもこちらの人は口も筆も立つ人が多いのには感心させられる。

海岸に出て砂浜を歩く。昔の人も歩いたのであろうが靴がめり込んでしんどい。防波堤を越え高野坂を登る。ここで下手な俳句……
 
   枯れ笹を踏みつつ那智へ高野坂

道端に地蔵さんを見て、昔の人の魂と共に歩かされていると神妙な気持ちになった。
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スペインの時はダジャレの連発だったので進歩はしている。

峠は終わったと思っていたが、小さな坂や峠は続く。「大しし峠」は下に道路が出来、向こうが見えるが上を越えて歩く。何故と言われれば「それが古道だから」。普通の人から見れば"まるでマゾの世界"。
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多くの人が「サインがなっていない。どうでも良い所にたくさんあり、必要なところには無い。迷った」。サンティアゴのサインは素晴らしい。必要なところに黄色い矢印だけ。
ここにもあるまあまあのサインがあった。テーマカラーを決めれば文字は要らない。疲れの為俯いて歩く者にとっては単純明快、視線の先のサインが最大の味方。
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"心臓破りの坂"の入口の「夫婦杉」は樹齢800年。その先の楠も樹齢800年。"嘘800年"の疑いは失礼に当たるがそれにしても立派。"生命力"と言うよりも"命"そのものを感じさせる力強さがある。
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那智大社の曲線と鮮やかな朱色。伊勢神宮の直線的で木そのものの色。対比が面白い。
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滝を見ているとまるで龍が次々と下ってくるように見える。それにしてもあれだけの水量を絶えず送り出す背後の山のふところの深さ。雨のおかげか……
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