フランスで最も美しい村ーSaint-Cirq-Lapopie

「ル・ピュイの道」のFigeacとCahorsの間にはメインルートの他にCele川の畔を歩くオルターナティブルートがある。時には水辺を歩きたいとの思いと共に「フランスの最も美しい村」で人気の高いサン・シル・ラポピーを覗いてみたいと言う野次馬根性で後者の道を進んだ。因みにこの村は人口二百人強の要塞の村で「フランス人が選ぶ好きな村」の1位なった事もあり、近年では日本発の海外ツアーの訪問地にもなっている。吉村氏は「多くのアーティストに愛された中世の面影を残す要塞の村」と紹介している。

 巡礼15日目の5月23日,巡礼路を外れCele川が合流するLot川を渡る。川沿いを進む寄り道である。岩壁を抉って造られた道の壁面には何と彫刻作品が続く。

f:id:peregrino:20181114165920j:image

f:id:peregrino:20181114165939j:image

約1時間後に険しい山道を登ると城塞の足元にたどり着いた。村の入り口の反対側からの訪問である。近くの観光案内所で地図を入手し、ザックを預けた後持参のバゲットに生ハムとチーズを挟みコーラを飲みながらささやかなランチ。そして、デザートのバナナ。

f:id:peregrino:20181114171533j:image

 要塞跡に上ると小さな村の全貌が見渡せる。ここでも見どころは甍の波である。茶色の傾斜のきつい屋根が展開する。雨が多いところなのだろうか。

f:id:peregrino:20181114170152j:image

f:id:peregrino:20181114171234j:image

足下にはハーフティンバーの可愛らしい民家が佇んでいる。

f:id:peregrino:20181114170227j:image

狭いながらもメイン路を下って行く。現在の姿になったのは13〜14C頃だそうだが、家並みには当時の面影が感じ取れる。

f:id:peregrino:20181115151435j:image

f:id:peregrino:20181114170351j:image

f:id:peregrino:20181114170511j:image

f:id:peregrino:20181114171202j:image

嬉しい事に足元には珍しく水道組合のマンホールが出迎えてくれた。

f:id:peregrino:20181114170604j:image

そして、嘗ての要塞の門が現れた。観光客はここから村にアプローチする。振り返るとお約束のゴシック様式のサンシル教会が屹立する。途中で立ち寄ったが入口に立ちはだかる恰幅のいいご婦人が有料であると宣言をした。普通の教会と思われるが……パスした。

f:id:peregrino:20181114170627j:image

巡礼路への帰り道で見かけたオブジェは自然の中に静かに佇んでいた。

f:id:peregrino:20181114171313j:image

f:id:peregrino:20181114171342j:image

バカンス前という事もあり観光客は疎らで、おまけに東洋の団体客とのバッティングもなく、「美しい村」を十分に享受する事ができ、往復8kmの寄り道の苦労も忘れさせてくれた。