出会った本屋

日本では本屋が少なくなったと言ってもまち歩きをしていると本屋に出会うことがよくある。その時、特に読みたい本が思い当たらなくても中に入って一回りすることが多い。雰囲気が好きなのである。海外へ行った時も街を歩いている時には無意識に本屋さんを探す。しかし、殆ど田舎歩きの為全くと言っていいほど出会うことが無かった。

しかし、ポルトガルに出掛けた時は是非とも出会いたい本屋がポルトガル第二の都市ポルトにあった。巡礼では珍しくポルトには二泊した。訪れたいところが多かった為だが、その中でもその本屋さんは訪問希望の第一位であった。ガイドブックによるとサン・ベント駅から西に向かい、ポルトのランドマーク的なクレリゴス教会の先にあるとの事。その本屋は近くまで来てやっと確認できるほどの二階建ての小振りな建物であった。様式は分からないがそのファサードに思わず見惚れてしまう。

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その名はレロ・イ・イルマオンと言い、最も美しい本屋として観光の対象となっており、そのせいか建物の前には多くの人が佇んでいる。中に入り前方に目を遣ると二階へと繋がる階段の背面が目に入る。背面とは言えその姿は圧巻である。視線を上に向けると木組みの天井が展開している。その下には多くの客?が屯している。NO PHOTOとあるが、旅の引き出しに仕舞っておきたいと店員の目を盗んでシャッターを押す。

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奥に回り階段を二階へと上がる。

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さすがここまで上がってくる観光客は少なく、やっと落ち着いて念願の本屋さんに出会えたことを実感できた。

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本を見ると言うより建物を観る事に心を奪われたが、暫くの間本屋さんの空気に浸り続けた。最も美しい本屋と言う肩書きには間違いなかった。何か足跡を残しておきたいと思い、低い語学能力でも楽しめる大きなイベリア半島の地図を手に入れた。

 

ポルトガルではもう一つ記憶に残る本屋に出会った。リスボン北部の人口800人ほどの城壁に囲まれた小さな町オビドスに立ち寄った。あまり観光客の足が向かない小さな教会らしき建物を目にした。

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開いている入り口から建物の中に入ると両側に曲線状の本棚が並んでいる。こんな小さな町にも関わらず、それも教会の建物を利用した本屋であった。

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スペインのマドリードで街中をぶらついていた時、瓦の庇屋根の下に本を並べている古本屋を見つけた。何となく謂れがありそうであったので調べてみると、なんと16Cに開店した小さな本屋とあった。もっとじっくりと辿ってきた時間を感じてくればと思った。

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本屋ではないが古い大学に行くと素晴らしい図書館に出会える。1218年設立のスペインはサラマンカ大学の図書館は中には入れなかったが開いた扉から中を覗くことができた。中に置かれた大きな地球儀が、嘗て地球の大半を制覇した国を彷彿とさせた。

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ポルトガルコインブラには1308年に大学がおかれ、その中に1724年に建てられたジョアニア図書館がある。スペインと世界を二分した名残か金泥細工の内装は見事なモノであった。

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