記憶のかけらー路地

ヨーロッパでは多くの都市で旧市街と言う形で歴史が残されている。その一つは路地空間である。

Cordobaコルドバローマ帝国の属州の首都となり、ローマ文化の中心地として栄えた。711年にイスラム教徒がイベリア半島に侵攻しコルドバを首都とした。そして、キリスト教とが1236年にコルドバを奪回し、1492年にユダヤ人追放令でユダヤ人はこの街から姿を消した。しかし、白壁の続く旧ユダヤ人街の路地はその歴史を語り続けている。

2012年10月1日 城壁の家々が続く スペイン/Cordoba after「フランス人の道」

 

1755年にリスボンの街を大地震が襲った。あまり被害を受けなかったアルファマ地区にはイスラム支配の影響が現在の街並みに残されている。白壁の続く路地は迷路の連続である。目的もなく歩き回りながら過ぎ去った歴史に思いを寄せる。

2013年6月10日「リスボンの下町 アルファマ  スペイン/Lisboa after「ポルトガルの道」

 

Lyonリヨンの街には建物の間を抜けて街路間を繋ぐ抜け道TORABOULEトラブールが350以上ある。つくられた理由は諸説あるそうだ。ルネサンス期に住居建設が進む中でスペース確保や遠回りを避けるため街区横断道を建物間の通路空間で代替した。今ではちょっとした観光対象となっているが、入り口には小さなプレートがあるだけで、見つけにくい。でも、それをガイド無しで見つけ出すのも観光行為である。

2018年5月7日 抜け道トラブール フランス/Lyon before 「ル・ピュイの道」

 

銀座通りは晴れの舞台であるが、そのすぐ裏には銀座を訪れた人のほとんどがその存在を知らず、人影がほとんど見られない裏路地が潜んでいる。その路地は150年くらい前の煉瓦街建設の際の計画の一端として残されている。少しづつ手をつけられている部分も見られる。銀座をおとづれた際に興味半分でちょっと足を踏み入れてみてはいかが。

2019年7月25日 銀座でタイムスリップ 日本/東京 銀座 街歩き