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ガウディを訪ねて14-カサ・バトリョ 20150702

嘗ては、建築に携わっているものは誰もが一度は実物を目の当たりにしてみたいと思っていたガウディの作品も、今やバルセロナ観光の定番コースとなっている。特に市街地部の主要作品は時間別に入館者を制限しており、運が悪ければ外から見上げて次へとなりかねない。そこで、今回心ゆくまでガウディワールドに没入したいと思い、予約可能なものは十分に余裕を持って予約を入れておいた。時間帯も一般の観光客、特に団体客が他の行動をしている朝一と夕方最終を優先的に選んだ。

朝一の9時を目指してカサ・バトリョに出かけた。すでに人だかりができているが人数は少なめで団体客も見かけない。

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あの姿形からガウディが一から設計したと思われがちであるが、1877年に建てられた店舗兼住宅の増改築を繊維業者である実業家から依頼されたものである。(1904〜1906)  5階建ての直線的かつ平面的な普通の建物をあそこまで変貌させた、まさにガウディマジックである。そのいきさつがまたすごい。

カタルーニア経済の黄金期を支えた資産家はその証として有名建築家に邸宅の設計を依頼した。その一環として右隣に「アマトリェール邸」、数棟先に「モレラ邸」が建設された。それを見た施主は負けじとガウディに改築を依頼した。この経緯を知った上で現地に立つとあのデザインはむべなるかなと納得させられる。しかし隣家との調和は忘れていない。

 上部二層を増築し内外装を改築している。ファサードから「骨の家」とも「あくびの家」とも言われているが、デザインテーマは「海」である。じっくりと眺めてみると、青を基調としたカラーコーディネーションや見上げた時の波のイメージはまさに「海」である。

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外壁の破砕タイルは 廃材を利用しており、ガウディ作品の色々な場面で展開されているエコ精神の見事な実践である。

ファサードの強烈なインパクトを受けると、当時は無視されがちであった裏側の壁面はどうなっているのか見てみたくなる。二階の自邸部分はテラスに通じており、そこから建物の裏側を眺めることができる。表に比べおとなしいデザインであるが、ガウディらしい装飾が施されている。そのテーマは何故か「海」ではなく「お花畑」のように感じられる。 

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上層部

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 テラス階

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 プランター

 

同じ通りに面した高級アパートメントホテルのファサードの改修を伊東豊雄氏が手がけている。ガウディへのオマージュなのか「海」のイメージである。

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