ガウディを訪ねて⑦ーサンタ・テレサ学院20150630

ミリャーレス邸の石門の前面道路をさらに東へ進むとジェネラル・ミドレという大通りに出会う。この大通りを道なりに進み右手の大きな公園の終端のガンドウクセ通りを左に入ると左手にサンタ・テレサ学院。直線的で装飾が乏しく、遠目にはガウディの作品とは見えない。構内に入るが人一人見当たらず静まり返っている。サンタ・テレサ会の本部で女子のカトリック教育の学校として建てられた為であろうか。
会の創始者の依頼で1888年36歳で前任の建築家の後を継いで手がけている。サグラダ・ファミリア贖罪聖堂も途中から手掛け、アストルガ司教館は途中で手を引いている。何かあるのだろうか。
前任者のネオ・ロマネスク様式をムデハル様式に変更している。予算上の制約から安価で伝統的なれんが造で質素な佇まいでありながらも近づくにつれ随所にガウディらしさが見えてくる。
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ファサードはグリッドに区画され、その枠内に 開口部を設けているが、最下階と最上階にソフトな曲線のパラボラアーチの開口部を並べ、肩苦しさを感じさせない。
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水平方向には同じパターンの繰り返しであるが、垂直方向には各階のデザインを変えており、その取り合わせが楽しめる。表側は樹木が邪魔をしているが、裏に回るとこの仕掛けがクリアに見て取れる。
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視線を上げると隅の尖塔に四本腕の十字架が見える。"キリスト教義が四方を照らす"を意味しているとのことであるが、ここで初めて採用されその後のガウディのシンボルとなっている。
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二階には一番の見所であるパラボラアーチが連続した幻想的な廊下があるが、残念ながら平日は授業中の為内部見学は許されなかった。