旅の楽しみ

 先々週、ギャラリー「間」に向かうところで終わったが、目的は開催中の「夢のジオグラフィー」である。スペインはバルセロナの北方の片田舎の古民家で三人の建築家が設立した建築スタジオRCRの活動を紹介する展示イベントである。迂闊にもRCRを今回初めて知ったが、以前紹介した建築家のノーベル賞を2017年に受賞している。幸いにも来館が1日ずれたお陰で館長によるツアートークでRCRの詳細を知る事ができた。

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背後の建物がスタジオであり、手前の道路には建築家の三人が小さく写っている。作品はランドスケープ、アート、文化そして社会との関わりを重視しており深い共感を覚えた。

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「私たちにとって人生は夢であり、建築とは夢を見るための道具である。私たちは夢と建築を通して、真に重要な現実を創造する事ができる。そのような夢を通して、私たちは人生をたどってゆくのだ。」として、彼らの夢、宇宙観を体現したプロジェクト「ラ・ヴィラ」のドローイングを和紙の上に展開している。 

そして、樹木に囲まれた環境のイメージを表現した和紙を使ったインスタレーションも。

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日本への関心が強く、吉野杉を使った「紙のパビリオン」も計画している。

4年前、バルセロナでガウディを追い回したが、その時RCRの存在をを知っていれば放ってはおけなかったであろう。

私にとって旅の楽しみは写真等で出会った建物を 目の当たりにし、その空気の中に身を置く事ができることである。絵画やグルメと違い、これだけは現地に赴かないと実現できない。

 

最近、立て続けに建築に関わる展示イベントに出会うことができた。

先ずはル・コルビュジェ展。

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昨年、ル・ピュイ巡礼の後パリ16区のアール・ヌーボー巡りの途上でラ・ロッシュ邸に立ち寄った。小さな住宅であったがコルビュジェを実感できた。

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次は、アルヴァ・アアルト展。

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50年ばかり前の最初の海外旅行の際、ヘルシンキのアトリエを 無謀にも地図を片手にノーアポで立ち寄り内部を案内してもらったのを思い出す。

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そして、子どものための建築と空間展。

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一昨年、「塩の道」を歩いた際松本市で「旧開智学校」を訪れた。

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ユニークなデザインの校舎のみならず、当時の社会を反映した展示物も興味深かった。

 

多分、現物には出会えないであろう建築物の展示イベントも覗いた。

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建築写真展では、有名写真家による写真にかつて旅先や街歩きでの出会いを思いおこされた。

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ところで、石像の教会建築物がかくも無抵抗に焼け落ちたのかとの疑問が投げかけられている。巡礼の際訪れた街の教会で聖堂の天井裏に入り込むことができた。屋根は普通の木造であった。

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