フランスの最も美しい村ーVezelay4

 帰りのバスまで十分の時間があり、大聖堂への参道を再び目的もなくぶらりぶらりと登って行く。到着時には大聖堂を目指していた為、無意識に眺めていたものが見えてくる。両側の建物は古いものに手を加えたもので違和感を抱かせる新しいものは見当たらない。赤くペイントされた窓や扉も上手く収まっている。

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ハーフティンバーのファサードも特段の古さを感じさせない。

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目を挙げると居並ぶ看板は屋外ギャラリーの感がある。

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横道にそれるといつの時代のものか廃墟も残されていてこれも一服の絵になる。

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屋根の上では半裸の男性が屋根の修理をしている。相当古い建物であるが、建て替えをしないでリノベーションをしながら使い続ける。

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巡礼者の為の宿があり、中を覗くと古いもののかつてはそれなりの人の住まいであったのか、それなりの趣がある。

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日本でも朝霧に浮かび上がる天空の城が人気があるが、ここも朝霧に浮かび上がる大聖堂が見ものと言われており、この宿に泊まっていればと欲望が広がる。

観光地では付き物のお土産屋や飲食店は余り見当たらず、洗練されたファサードのギャラリーが軒を連ねている。他の観光地でも見られたが、芸術家が住み着き作品を制作し、それをお土産として提供しているようだ。いかにもフランスである。

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時間の余裕もあり、何軒か覗き込み拙い英語で話し込む。現地からの便りでも書いたが、前橋に息子が住んでいる女性とその兄弟らしい二人が経営するギャラリーでしばらく話し込んだ。帰りにはお土産にと作品の版画をいただいた。ただ見て回るだけでなく現地の人に話しかけ、生活の一端に触れるのが私の旅の大きな楽しみである。結構日本になんらかの縁のある人に出会える。乏しい英会話力に歯嚙みしながら頑張る。

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ゆったりとした時間を過ごし、清々しい青空の下に佇む ヴェズレーに別れを告げた。

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吉村氏は「マグダラのマリアに由来する大聖堂のある巡礼の出発点」 と述べているが、

敢えて言わせて頂くとベズレーとコンクはもう少し踏み入った表現が欲しかった。

訪問した「フランスの最も美しい村」 を紹介してきたが、なるほどと頷ける村もあるが,首を傾げる村もあり・・・であった。