紫雲木

 今年の桜は花散らしの雨にも負けず、今だに我々を楽しませてくれている。今朝も石神井川沿いの我がウオーキングコースを頭上の花々や川面の花筏を見やりながら歩いた。

桜と言えば南米原産のキリモドキ属ノウゼンカズラ科のジャカランダ(紫雲木)は南半球の桜と言われ 、オーストラリアでは春を告げる花と言われている。正確には日本ではの但し書きが必要かもしれない。その和名が表すように花は淡い青紫色で、その様は雲のたなびきに似て、その風情は色違いの桜を思わせる。

日本にも持ち込まれており、熱海市では歩道や公園に植えられ,「ジャカランダ遊歩道」と名付けられているそうだ。しかし世界三大花木と言われている割には殆ど知られていないのではないか。

私もポルトガル放浪中に出会って初めて知った次第である。かの大航海時代にブラジルから持ち込まれたそうで、今ではポルトガル中南部で街路樹として多く見られる。6月初旬で気温も高く、原色が多用されているまちの景観の中では、少しばかりアンバランスさを感じさせなかったでもないが、異国を長旅中の日本人である私にとっては、その出会いはなんとない懐かしさと共に暫しの安らぎをもたらしてくれた。

ポルトガルでは日本ではあまり馴染みのない花々に出会ったが、その中でもジャカランダは最も印象に残っている花である。 

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