雨と言えば尾鷲

5月16日(月) 馬越6:00〜賀田14:40
        21km 雨

昨日も嬉しい二つの出会いがあった。
上里の「庄次屋」を訪ねてみろとマップにあったので飛び込みで訪ねた。東京の設計事務所をリタイアし、故郷に帰って地域おこしに関わる色々な事をやっている。妙に話が合う。おまけに同い年。そしてなんと今までに会って話した人達、更に今夜の宿のオーナーとのネットワークが出来上がっている。小一時間話し込んで「今度は泊まりがけで来い」との言葉を頂いて別れた。
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本人設計の檜造りの自宅

もう一つは宿「アルベルゲ山帰来」のオーナーご夫妻。なんと「庄次屋」さんと同級生。熊野古道の今後のあり方の参考にと出かけたサンチャゴ巡礼が今やこの宿に結実している。熊野古道のあり方、そして共通の思い出のサンチャゴ巡礼について2時間ばかり話し込んだ。建物は当然ながら総檜造り。
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付属経営の喫茶店
なんとテラスには樹齢350年の檜を彫り込んだソファー。樹木に。抱かれたような座り心地。350年の刻を夢見る心地である。一座の価値あり。
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客の受け入れは一組のみ。運良く泊まれて一棟丸借りの幸運に浴した。夕食はハンバーグカレー、サラダそして手作りのヨーグルトで生気回復。

皆さんにもオススメの宿である。

  梅雨近し出会い求めて行く伊勢路

出会いは人だけではない。神や自然も…

晴天が続いたが昨日からから下り坂で夜半から雨。おまけに「伊勢路」最大の難所「八鬼山峠」627mを越える。尾鷲は名だたる多雨地であり、年間4,000ミリの雨量である。

八鬼山峠の入口を見過ごす。途中であった人に聞くと、「あなただけではない。役所に言っているけど標識の改善はされない」。リカバリーの道を教えられ進むが藪漕ぎ気味の道。雨で濡れた石でスリップして側の水路にざぶり。下半身がずぶ濡れ。
急な石畳が延々と続く。
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登りは息が上がり中々はかどらない。石畳は歩き難いが、17世紀中頃に紀州藩が雨で道が流されない為に行った街道整備。文句は言えない。石には苔が蒸し、土の上には落ち葉そして木の根が地表を這う。
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雨が降るとどれもツルツルで足の踏み場に迷う。登りは辛いが下りは危険。下りも急勾配の石畳が続き、ちょっと油断すると…何度転倒した事か。おまけに5年間愛用し大事な助っ人であったストックが折れてしまった。

更に「三木峠」「羽後峠」120mを越える。
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羽後峠の猪垣
目的地の二木島には300mの峠越えがある
が、予想外にかかった時間と雨の為、安全を考え手前の賀田の釣客用民宿に泊まる。
散々な一日であった。でもこの地域の特性が味わえ、これも旅の一つと強がっている。

  五月雨を石畳踏み峠越え