FOUJITA

東京都美術館に出かけた。没後50年藤田嗣治展と銘打っての彼の画業の全貌を展覧する大回顧展である。流石に見応えのあるものであった。

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6月10日,サンティアゴ巡礼を終えた翌日ParisからReimsに足を伸ばした。お目当は三大聖堂の一つのランス大聖堂である。因みにReimsをランスと読むとのこと。そしてもう一つのお目当は藤田が建造し、自ら最後の夫人と共に眠っている"フジタ礼拝堂"である。駅から町並みを眺めながら歩く。静かな佇まいの礼拝堂に到着したが、開館まで未だ時間があり周りに人影も見当たらない。

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向かいのシャンパ醸造所のロビーで時間を過ごした後再度出向くと、何と数十人の人が並んでいる。日本人は私だけ。小さな礼拝堂に入ると四面の壁にフレスコ画が展開。今まで見てきたフレスコ画と違った空気感を感じさせる。フジタワールドである。

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幾つかのステンドグラスも目に入る。

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そして、扉に描かれた小さな絵。

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外に出ると入口の両脇の壁面には彫刻。

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様々な作品を楽しんでいる内に周りの人影が消え、私一人が小さなフジタ美術館を占有していた。暫く穏やかな時間を過ごした後に礼拝堂に別れを告げランス・サン・レミに向かって歩き始めた。

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最近は日本にいても多くの名品を居ながらにして鑑賞することができるが、その場に行かなければ出会うことができない作品もある。そうした出会いを味わえる旅は、私に旅の醍醐味で味あわせてくれる。