一期一会 <パトリックさん>

先週紹介した女性はオランダの看護士パトリックさん。既婚者であるが私同様こうした旅が好きだということで、旦那の了解のもとの一人旅である。毎日夕食後に電話でコミュニケーションしているとの事。彼女とは一週間前に出会い相前後しながら歩き、同じ宿に泊まるを繰り返し、お互いのプロフィールは交換済みであった。従って、何か心に悩みを抱えての一人旅ではない事は知っていた。しかし、あのシチュエーションに立った時、私が陳腐な妄想をしてしまったのは事実である。海岸線から山間部に入って行くと羊や馬以外殆ど人に出会うことなく、健脚の彼女の後を黙々と追い掛けているとつまらない事を考えてしまう。

彼女の歩くピッチが私と似通っており、彼女が私の視界内にある事が多く、結構絵になると感じた場面で彼女の姿を写真に収めている。宿に到着後、まち歩きの際に撮った写真に写った彼女にも、何かを感じさせるものがあってシャッターを押している。

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「北の道」 Mondonedo   2014/06/17 

道端のバルで休んでいた時遅れて彼女がやってきて、「私はこの町で泊まるのでお別れになる」と言った。その時とっさに彼女との"一期一会"の証を残しておきたいと思い、手持ちの洗濯バサミを2〜3個手渡し歩き始めた。なぜ洗濯バサミかと言うと、昨日の宿で洗濯物を干していた時に彼女が近寄ってきて、もし余分のものがあれば借用できないかと言った。余りはなかったがやり繰りして2〜3個手渡した。

何でもない繋がりが何時までも記憶を蘇らせてくれる。