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南蛮朝景紀行

夕方の景色が夕景であるなら、朝のそれは朝景であろうと勝手に思い込み「南蛮朝景紀行」のタイトルで一文を認めた。

夏場の日の出は緯度とサマータイムの関係で7時近い。太陽が高く昇ると日差しが強くなる上に、それでなくても少ない日陰がほとんど無くなる。従ってその前に出来るだけ距離を稼いでおこうと暗いうちに宿を出る。幸い就寝が早いので5時頃には目が醒め、早い時は5時半には出発できる。集落を外れると暗闇の中でキャップライトの明かりを頼りに、進路ミスのない様に黄色い矢印を探しながら進む。

 

「銀の道」のサラマンカに向かってSan Peddro de Rozadosを離れる。次第に周りが確認できる様になり、やがて頭上に蒼い空が広がる。突然右手に水面が現れ空と地上が一体となる。そして日の出はまだであるが雲が赤く染まり始める。

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2015/06/09/06:25

 

ポルトガルの要塞都市モンサラーシュ。国境越しの日の出を拝みに出かける。生憎雲がかかっており地平線からの日の出は拝めなかった。しかししばらくすると雲の間から日が射し始め、彼方のスペイン領と思われる湖沼地帯が赤く染まった。雄大なロマンを感じた朝景であった。

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2013/06/07/07:10

 

「北の道」はフランス国境からスペイン北部のカタブリア海沿いを進む。場所によっては標高も低く平坦で広大な農地の中を歩く。一途に西に向かって歩を進める為、日の出は背後からの温かい日差しで感じる。しかし視線を横に向けるといつの間にか彼方の木立の背後の空に朝焼けが広がっている。

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Pinera  2013/06/14/6:55

 

「フランス人の道」はフランスからピレネー越えでスペイン内陸部を西に伸びるサンチャゴ巡礼路の銀座通りである。熊野古道で言えば「中辺路」に当たる。ブルゴスに向かって歩きながら振り返ると、東の空に日が昇り明るみかけた巡礼路に人影が浮かび上がる。空には方々で見かける飛行機雲。

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2012/09/10/8:00

 

「銀の道」が北へ北へから西へと変わってPuebla de Sanabriaでは標高も900mを超え、あくまでも真っ直ぐに伸びる自動車道を黙々と進む。前方を鹿が数匹横切る。早朝にも関わらず既に明るい。正面にはこれから越える標高1,400m近い峠の山並みが連なり、麓には朝靄をたなびいている。

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2015/06/18/6:55

 道路の右側にシフトして、再度前方に目をやると瞬く間に山肌は朝日で赤く塗り替えられていた。

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2015/06/18/6:58

 

「北の道」では時に海辺に近くを歩くことがある。最後の州であるガリシア州のRibadeoに入る手前で朝早く海辺に出た。北部の海である為か海面は朝日で輝いてはいるものの冷たさを感じる。水面は穏やかであるが一瞬日本海岸に佇んでいるかと思わせる。

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2015/06/15/6:55