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ガウディを訪ねて⑤ーフィンカ・グエル(グエル別邸)/20150630

サグラダ・ファミリアをスタートにグエル公園まで、バルセロナ市街北部のガウディ作品を徒歩とメトロで巡る。スペインでは全ての道路に名前がついており、慎重に確認しながら歩けば迷子になるとは思わなかったが、メインの観光ルートではないので念のため地図で事前に確認。
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サグラダ・ファミリアから 目の先のモンタネール設計サン・パウ病院(後日紹介予定)に寄り、メトロでグエル別邸の最寄駅へと向かう。駅から歩いて別邸に向かうが近くに大学があるせいか、出会う人の身なりは大学都市サラマンカに似て洗練されている。暫くすると左手に知る人ぞ知る"ドラゴンの門扉"が目に入る。日本の水墨画の龍とは趣きは異なるが、その生命感と躍動感は共通するものを感じさせる。 そして名に似合わぬあの奇想邸の門扉と同一のデザイナーによるものとは思われぬ。
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右側の門柱の頂部にはオレンジの木。建材やデザインモチーフにその土地の特産品を使う彼お得意の手法である。そしてグエル家のイニシャルの"G"。
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脇の入口から中に入る。嘗ては大学の施設として使用され非公開であったが、幸いにも2014年から公開されている。生涯を通じてのパートナーであったエウゼビ・グエルの求めに応じ1884年32才の時に手掛けたもので、既に邸宅は現存しないが正門の両側に隣り合わせた 門衛館と旧厩舎が残されている。外壁はレンガとタイルを組み合わせたムデハル様式(レコンキスタ以降キリスト教支配下のイスラム教徒が生み出した建築様式)。屋根の上には曲面に平面のタイルを貼る為に考え出され、後に続く作品に見られるタイルを砕いて使用する手法が見て取れる。
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連続するパラボラアーチもガウディが採用した種々の構造手法の一つである。改修されているとは言え、嘗ては馬小屋であったとは思えぬ美しさである。
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建物の足元には1884の数字とグエルあるいはガウディのイニシャルと思われる"G"を刻んだ石柱がひっそりと据えられていた。そしてその背後に広がるあまり手入れの行き届いていない庭園をちょっと複雑な思いで暫く 見つめていた。
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観光スポットとなっている街中の作品には比べるまでもないと思われるが、ガウディの見つめていたものは何であったかを知る上で興味を覚える一作品であった。