女人道から小辺路へ

天気予報通り昼前から雨。今夜の宿は参詣道を外れている上、ドコモ以外は通話不可の為、バス停脇の公衆電話で迎えを依頼する。この電話、観音開きの箱に入っておりダイアルはジーコジーコ。宿について濡れた衣服を着替え洗濯を済ませ、近くの温泉に出かける。大きな窓の外は紅葉。ぬるまめの湯加減でついつい長湯をしたが、いつもの初動期の筋肉痛が若干緩和された。

今日は奥の院での生身供に立ち会うべく5時半起き。日の出が6時半なので外は真っ暗。燈籠の薄灯りを頼りに参道を進む。6時に空海さんの朝食が出発した。私も奥の院に入り一時間あまりのセレモニイーを間近に見聞きした。数えきれないほどの天井の灯籠のもと堂内に響き渡る般若心経。

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奥の院に向かう

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 奥の院からの帰途

ここでも紅葉が見られたが、こんな紅葉も良いものだ。
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女人禁制の為、嘗て女性が往来した女人道の一部を歩いた。結構険しい道である。

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尾根道なのは木立の間からその佇まいを少しでも窺いたいとの願いの表れか。

 

途中から小辺路に入り大股へと向かう。自動車道や林道の部分が多い上、途中から降りだした雨で景色を楽しむ余裕がない。

紅葉も部分的だったが、秋らしい眺めに出会った。


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雨の眺めも見ようによっては捨てたものではない。かってな思い込みだが、雨に霞んだ杉の木立に長谷川等伯の「松林図」を思い浮かぶ。

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ところで夕べの宿はゲストハウス。欧米でバックパッカーがよく利用する宿であり、日本でも徐々に増えている。バックパックの旅行経験者が始めている場合が多く、利用者のニーズに上手く対応している。即ち清潔でリーズナブルな低価格そしてコミュニケーション。かく言う私も愛用しているが、日本人の利用はもうひとつ。夕べも十数人の宿泊者がいたが、日本人は私一人。


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ゲストハウス高野山Kokuu


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入口上部の硝子窓の向こうに


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奥の両側に二段の木製カプセル

 

奥の院~大股  19.1km  曇後雨