ガウディを訪ねて16ーカサ・ミラ 20150702

 カサ・バトリョ見学の後、モンタネールのモレラ邸のツアーに参加、昼食を済ませて13時予約のカサ・ミラに向かった。実業家ペレ・ミラが同じグラシア通りに完成したバトリョ邸を見てガウディに設計を依頼した高級住宅である。(1906〜1910)ガウディの最後の住宅建築であり、空間構成はバトリョ邸に類似しているがバルセロナで最初の地下駐車場を設けており、市街地住宅の集大成ではなかろうか。通称"ペドロラ(石切り場)"は今ではその外観への驚きと賞賛の言葉として投げかけられているが、当時はその斬新さに皮肉を込めた不評の呼び名であった。 ついでにこの建物も種々のトラブルからガウディは途中で手を引き最後は彼の弟子が完成させている。

 f:id:peregrino:20160922162147j:image 

f:id:peregrino:20160922160141j:image

 

  賃貸住宅のエントランスから階段を上がる。バトリョ邸に比し大人しめであるが 照明効果が雰囲気を醸している。

f:id:peregrino:20160922155921j:image 

ここでも換気と採光目的とした二本のボイド空間が設けられているが、開口部は下に行く程大きくするなどきめ細かい配慮がなされている。

f:id:peregrino:20160922160457j:image

壁面には壁画も 

 f:id:peregrino:20160922164231j:image

 直島の地中美術館を思わせる

 

当時は耐力壁で建物を支えるのが一般的であったが、現在では主流の柱と梁で支える構造を採用しており、大きな開口部が十分な採光を可能にしており、更に自由な間取り変更を可能にしている。

f:id:peregrino:20160922160948j:image

 明るいキッチン

 

最上階はバトリョ邸同様タッパの高い美しいパラボラアーチ。居住者共用の物置や物干し場として使われ、夏の暑さのバッファー空間でもあった。

f:id:peregrino:20160922161122j:image

 

屋上には宇宙人の襲来を思わせる煙突や換気塔の集団。破砕タイルが貼られていない上顔を思わせる造形は真に迫ってくる。

f:id:peregrino:20160922161241j:image

 下を覗くと外壁の石張り がのたうっており、雨は少ないものの屋上の水処理はちゃんとなされているようである。

f:id:peregrino:20160922161343j:image

 

続く

 

 

 

 

 

 

 

 

l