ガウディを訪ねて⑥ーミラーリェス邸の石門/20150630

グエル別邸に別れを告げ広い道路を東に進むと左手にそれらしいものが見えてくる。二匹の蛇が出合頭に大きな口を開けている。嘗ての広大な邸宅地の塀と門であるが、その曲線は同時代に手がけたグエル公園を思わせる。背後には当時の邸宅は既に無く、所謂日本で言うマンションが建っている。不釣り合いなのは宜なるかなである。場所が場所であり、物が物だけに観光客の姿は無く、日常の中にどっしりと腰を据えている。
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友人の起業家ミラーリェス氏の依頼で1941年49歳の時に手がけたもので、今は塀と門しか残っていない。門扉は弟子が手掛けているが、この門に果たしてどんなデザインのものであったか、空想するのも楽しい。
鉄骨の骨組みにレンガを積み、石を貼り付けた地味な造作であるが、その存在感は流石である。
門の前にはお決まりの等身大の像が人待ち顔で立っている。
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この敷地はミラーリェスが友人のグエルから購入したもので、ガウディとグエルの関係の濃密さを思わせる。