出逢った椅子
日常的に椅子との出会いはあるが、旅先でも記憶に残る椅子に出逢った。思い出すままにたどってみよう。
スペイン と言えばガウディ。北部のカンタブリア海沿いを歩く"北の道"の途上の奇想邸(エル・カプリーチョ)で出逢った椅子。因みに、オーナーは日本の女性と聞いた。
バルセロナ近郊のコローニア・グエル教会堂の半地下礼拝堂の椅子。因みに、地上の教会堂本体の建設は中断し未完のままである。
バルセロナのグエル公園の転落防止を兼ねたベンチ。因みに、タイルを細かく破砕する事により複雑な曲線に馴染ませ、自由な配色や造形を可能としている。座り心地は・・・・
"フランス人の道"のレオン市のボディーネス館の向いのベンチには,ガウディが腰を下ろし読書に耽っている。この様なベンチは方々で見かける。マラガではピカソに出会った。因みに、隣の女性はグラナダに留学中。
宿近くのリチャード・マイヤー設計のバルセロナ現代美術館のロビーで見かけた。白で統一したインテリアは清々しい気持ちにさせる。因みに、この美術館は治安上問題のあるこの一帯の再開発の一環として導入されたそうだ。
"銀の道"のサラマンカで通りかかった開店前のレストランのテラスで見かけたストールとテーブルのセット。その収まり具合に思わず見惚れてしまう。
マドリードの北部の城塞都市アビラ。城壁に沿って並ぶベンチの脚はくずかご。歴史を感じさせる重厚な石造りの城壁と機能性と軽快感を感じさせるベンチとのアンバランスさに面白さを感じた。
ポルトガルはリスボンの西北部シントラに嘗ての王家の夏の離宮がある。そこには当時の調度品も残されている。そこで見かけた椅子の肘掛。果たしてこれは何様式の椅子であろうか。因みに、建物はイスラム教徒が残したものを、その後増改築を重ねた結果ムデハル、ゴシック、マヌエル、ルネサンスと多様な建築様式である。
フランスの最も美しい村のローゼルトには芸術家が住み着いて作品作りをしている。その一軒では金属を切断溶接をして椅子等の家具調度品を制作していた。因みに、フランスの最も美しい村は2013年現在なんと157村あるそうだ。
東京庭園美術館 で展示されたブラジルの僻地に住む原住民が作った動物をモチーフにした椅子。素朴でありながら何となくユーモアを感じさせる作品であった。因みに、その時は知らずに鑑賞していたが、あれこそは先日紹介したアール・ブリュットとの出会いだったのだと気付かされた。
熊野古道伊勢路の宿"山帰来"には二度お世話になった。ダイニングの前のテラスで数百年の風雪に耐えてきた巨木のソファー?に座り、その歴史に思いを致しながら熱いコーヒーを頂いた。因みに、宿泊は一軒家に一日一組である。
再び東京庭園美術館である。旧朝香宮邸の本館と新館を繋ぐ通路のガラス壁面にはドット状の凹凸の加工がされている。その為外部テラスの椅子は現代アート。因みに、日差しの強い午後がオススメです。
慶應大学三田キャンパスの萬來舎に残されているイサム・ノグチさんの椅子テーブルは彫刻作品を思わせます。因みに、その他彫刻作品も建物内外に展示されている。
思い浮かぶままに旅の引き出しから取り出してみた。