想定外

先日地下鉄の駅で次の便が各停でない為、目的の駅に停車するかとアナウンスに耳を傾けた。ところが、鉄道員独特の語尾不明瞭の案内が周辺の騒音で聞き取れない。近くにいた駅員に確認したついでに高齢者独特のクレームを付け加えておいた。

ヨーロッパを旅していると、まず移動の為の情報提供が日本と大きく違う事に戸惑う。案内表示や案内放送が極端に少なくうっかりできない。しかし、慣れてくると不便よりも心地よさを感じ出す。フランスの鉄道では、目的地までの切符を持っていなかったり、乗車駅の刻印がないと有無を言わさず多額の罰金が徴収される。何処かの過剰な"おもてなし"?精神と対照的な"自己責任"?精神の徹底には反論の余地を感じさせない。

 

以前紹介した倉本聰の「愚者が訊くその2」に、防災学者河田惠昭さんへのインタビューで大要以下の発言があった。

ヨーロッパは起こることを前提に対策を立てている。ロンドンの空港と市街地を結ぶ高速列車には、ドアの横にハンマーがぶら下がっていて、事故が起こったらこれで割って逃げろと書いてある。新幹線のどこを見てもハンマーなんか無い。日本は、起らないための努力はやっている。日本は安全神話を信じすぎる。想定外のことが起こることを前提にやりなさい。JR東海東海地震が起きたら新幹線はダメになることを知っており、だから、山側にリニアを作ろうとしている。

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スペインのクエンカに向かうRenfeの車中  2012/10/01

 

一寸ずれてしまった感があるが、何処か通じるところを感じた。