愚者の歩み-2

背後の道を確認すべくサンチャゴ巡礼路の全体図を探した。現地で手に入れたクルデンシャル(巡礼手帳)にそれを見つけた。今までは自分の歩く道に意識が集中していたため、ほぼヨーロッパ全域を網羅する広大なネットワークに意識がいかなかった。自分が歩いてきた道(オレンジ)がほんの一部分にしか過ぎないことに愕然とするとともに、嘗ての巡礼者の信仰の力に驚かされた。そこでふと少しでも源流に近づきたいとの愚かな思いに駆られた。

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フランスには主な巡礼路が4本あり、スペインの「フランス人の道」に繋がっている。Parisを発つ「パリの道」(約950km),Vezelayからの「ヴェズレイの道」(約1,100km)、Le Puy en Velayが出発地の「ル・ピュイの道」(約740km)そしてArlesを始点とする「アルルの道」(約800km)である。

体力、気力を考えこの二年間は国内を歩いてきたが、このどれかの道を歩きたいとの誘惑に抗し難く昨年末からインターネットや図書館通いで情報収集を始めた。そして、最もポピュラーで整備状況の良い「ル・ピュイの道」(ブルー)を歩くべく準備に取り掛かった。先ずはガイドブックを手に入れねばならない。スペインの巡礼路の時はスペイン語、英語、ドイツ語と数種類の言語のものがあったが、amazonで検索すると使えそうなのはフランス語のものしか見当たらない。早速購入したが現地での簡単なコミュニケーションの為もあり、フランス語の基礎の基礎は要求される。学生時代に不純な動機?でドイツ語以外にフランス語にも手を出したが、直ぐにギブアップ。先ずはア、べ、セから始めねばならない。     続く