伊勢へ七度(たび)熊野へ三度(ど)
信心深い事の例えだそうだ。私は四度と五度訪れており信心深さに今一歩と言うところか。内田樹×釈徹宗著の「聖地巡礼 Rising」を読んでいて、気になったコメントがあった。ご両者が数人の仲間と熊野古道を巡礼しながら対話をしており、その中の熊野那智大社の"那智の滝"に関するものである。
地元のナビゲーターのコメントーーー「東京の根津美術館に「那智の滝図」という国宝の絵があります。昔、それを見た作家のアンドレ・マルローが本物をぜひ見たいといってここまで来たことがありました。正確な表現は忘れましたけど、「那智の滝は下から上昇している」といった意味のことを言っていたそうです
内田樹さんのコメントーーー遠くから見ると普通の瀑布にしか見えませんけど、近寄って見ると変わった滝なんです。(中略) その時オーロラみたいな不思議な模様が見えて、それを五分間ぐらい見ていたら、ちょっと気持ちが変になった。目をフッと下にずらしたら、岩が全部動いて見えたんですよ。グニョグニョと浮き上がって見えた。
又、昨日の東京新聞夕刊にはーーー落下する水が強風になびいて、竜のように見える。この滝に神が宿ると感じたいにしえの人に共感した。
そして、私は一昨年の熊野古道巡礼中の5月20日のブログに「滝を見ていると竜が次々と下ってくるように見える。」と記している。
ひとによって見え方は異なるが、何れにしろ何か霊的なものを感じているようだ。「場」に対する認識からか、それとも 真に霊的なものが発せられているのか。