歴史を歩く

最近「チバニアン申請」がニュースになっており、十分に理解できていないが地球の歴史の空白部分を埋める画期的なことらしい。ネアンデルタール人北京原人が生きていた数十万年前のことであり、人間の歴史と言うより地球の歴史に属するものと思うが、これが採用されれば一時的であろうが千葉県の市原市には観光客が殺到することであろう。

ここ数年国内外の歴史の道を歩いている。スペインではローマ帝国が作った紀元前後の建物、道路、橋等が現在の社会で未だに現役として活用されている。その中に身を置くと歴史上の対象物としてではなく今現在のものとして実感できる。周りに人がいない時にはその景観の中で主人公になれ、あれやこれやと空想の世界に浸ることが出来る。一人歩きの特権である。

熊野古道の石畳の峠越えをしていると、当時の生活や信仰のために往来した人々と気持ちが通じ合い、その過酷さに想いを致すことが出来る。

先月「塩の道」を歩き、その途上で「フォッサマグナ」なるものを垣間見ることができた。なんと2,500年前の世界へワープしたのである。そこには日本列島の形が出来上がった一つの証しが残されていた。東日本と西日本の境界、さらには"くの字型"に曲がった日本列島の成り立ち。

現場に立つと人間の歴史を超えた地球の歴史まで実感出来る。これこそ旅の醍醐味であり、そしてひとり旅の特権である。

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フォッサマグナパーク  2017/05/19