出会い

これまで経験したロングトレイルには色々な出会いがあった。 「お遍路」は "おもてなし"との出会い、「巡礼」は "国境を超えた人"との出会い、そして今回の「参詣」は"地域に根ざした人"との出会いであった。
今回各地で出会って親しくお話をお聞きした人を整理しておきたい。
伊勢市ーゲストハウス「風見荘」 の管理人
ーー従業員と共に時間を過ごしながらゲストハウスのあり方を見聞きした。
伊勢市ーかつての伊勢の台所河崎の「和」の経営者
ーージオラマ作りに没頭しながら地域おこしの難しさを語ってくれた。
栃原ー江戸時代から続く旅館「岡島屋」のご主人
ーーUターンして引き継いだ老舗旅館の経営の問題点と将来展望。
滝原ー鮎釣り客相手の「かつみ旅館」のご主人
ーー解禁を明日に控えて鮎談義で盛り上がる。
伊勢柏原ー歴史ある旅館「紀勢荘」の女将
ーー地域の話はもとより世相談義まで話し出したら止まらない。
伊勢柏原ー一年中花の絶えない寺「大蓮寺」の住職
ーー武家屋敷「 権太夫屋敷」から小倉久寛まで集落の生き字引。
伊勢柏原ー「権太夫屋敷」を守る子孫老夫婦
ーー年月の経過と湿気で傷みの進む武家屋敷を維持する苦労。
紀伊長島ー宿「ゆうがく邸」を運営する特定非営利活動法人のスタッフ
ーー邸内の案内・説明そして法人の話。
紀北町ー上里で地域起こしに活躍する「庄次屋」の運営者
ーー故郷に帰り設計事務所での経験を生かし地域ネットワーク作りを楽しんでいる。
尾鷲ー馬越で宿「山帰来」を経営するご婦人
ーーサンチャゴ巡礼とそれをモデルにアルベルゲ作りそしてご主人の文筆活動。
賀田ー釣り客相手の民宿「まさはる屋」のご主人
ーー釣り客自慢の魚拓を前に海釣の講釈と自慢話が続く。
熊野市ー丸山千枚田保存会の初代会長
ーー今に見る千枚田の解説と復活までの苦労話。
新宮市ー役所OBの地域研究家
ーー役所で担当した業務の継続と地域の歴史の掘り起こしで文筆活動。
ーー紹介を受けたが飛び込みの為行事対応中でお会いできず。
小口ー版画家で熊野古道ガイドの女性"ばんちゃん"
ーー紹介を受けたがガイドの仕事が入った為電話で少しお話し。
熊野本宮ー修験者でもある宿「くまのバックパッカーズ」のご主人
ーー熊野古道そして経験豊かな海外旅行の話。英語はペラペラ。
近露ー鮎釣り宿「なかの」のご主人
ーー鮎釣りと「中辺路」の話。
田辺ー南方熊楠顕彰館旧自邸の管理人
ーー住宅の案内と説明そして熊楠の人となり。

こうした人達の多くがネットワーク化されておりご紹介も受けた。

ところで伊勢の河崎での出会いを書き残していた。

雨の中を歩いている時「ご自由にお休み下さい」が目に入り、雨宿りを兼ねてお邪魔する。
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「和」とあり、中では一人の男性が入口に背を向けて作業をしている。鉄道ジオラマ造り。話しかけると手を休めることなく応えてくれる。古いものを集めて並べているが売物ではないらしい。ジオラマが収入に繋がればと期待しながら若者たちとの「まちおこし」に参加しているとの事。親の年代は半分諦めで協力には消極的。
目の前に小物を二つ出した。古い外国製のホッチキスだと言う。ひとつはムカデと言う針を使ったものだが、もう一つはなんと針を使わないもの。日本のメーカーが"画期的"を売物に商品化しているが、ヒョットして。先日TVのまちおこし取材があり、その時これを見せたところ異様に食いついた。まちおこしがテーマであったが放映では肝心なところはカット。悔しそうに話してくれた。1時間位話し込んで雨の中に出て行った。