出会った橋ー銀の道-4

6月8日の朝、空は赤く燃えていた。 

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スペイン内陸部は全般的に平坦であるが、今日は標高1,200m弱の山脈越えである。とは言え実質約200mの登り下りである。頂上では風力発電の風車が迎えてくれる。発電量は世界第5位で、各地でこうした風景が見られる。

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6月9日の朝の空は青く静まり返っていた。

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本日の目的地 Salamancaは昨年に続き二度目の訪問であるが、ゆっくりと愉しみたいと5時半出発。24kmの短い歩行の為11時前には今回の巡礼行のキッカケとなったローマ橋のたもとに立っていた。背後にカテドラルを控えモザイク画を思わせるローマ橋は、石垣フェチの私には最高のお出迎えであった。今回の巡礼の中間地点である。

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宿は12時受付16時入室とのことで、近くのバルで昼食の後宿の受付を済ませ、ザックを預けて街に繰り出す。新旧カテドラルに向かい、屋上ツアー"イエロニムス"に参加する。旅先では可能な限り高い所に上がり街並みの俯瞰を愉しむ。旧市街の場合、赤やグレーの屋根の家並みを眺めていると心が休まる。

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サラマンカ大学は世界第三の歴史を持ち、旧市街にすっかり溶け込んでいる。 入場料を払って建物内を回遊できる。図書館は特別な位置づけがあるのか、歴史で積み上げられた"知" の空気が漲っている。

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翌朝、36kmの歩きを考え6時に建物出口に向かった。なんと、ドアは施錠され色々試みるも開く事が出来ない。管理人室を探すがなかなか見つからない。やっと探し当て管理人を叩き起こす。早起きの客の為内部から解錠出来るのが普通で、初めての経験である。

 

6月11日の朝、天候は下り坂で空は白かった。

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西都市Zamoraの入口にもローマ橋が架かっていた。下を流れるドエロ川はポルトガルポルトワインの産地Portoへと流れ下る。銀の道はポルトガルの道と平行して進むので、戦略的な都市が点在している。

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ローマ人、西ゴート、アラブ人そしてキリスト教徒と様々な文化が出入りしたこともあり様々なモノが混在した美しい街である。特に石造の建物は華美ではないが、魅力的である。

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街の一角では出窓が居並んでいる。

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時代の流行であろうか競い合ったのか統一感は感じられないが、返って面白い街並みとなっている。

 つづく

 

街というのは、古い記憶を持つ建物なり、寺社なり、樹木なりがないと安っぽくなりますね。記憶を持たない街は、思い出を持たない人と同じように、付き合いようがないし、一緒にいてもつまらない。

   「すごいトシヨリBook]     池内紀/毎日新聞出版