5月22日 何処で 何を

2013年5月22日

敗戦後、日本で体験できなくなったもの? ・・・徒歩で国境を越えることである。昨年はピレネー山脈の標高約1,300mで西仏国境を跨いだ。傍に石碑がひっそりと佇んでいた。今年は今日Minho川上の葡西国境を越える。

ポルトガル側は城塞都市 Valenca

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一方のスペイン側のTuiは

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嘗ての力関係のなせる技だろうか。しかし、今やEUと言う括りで星の輪の中の文字が違うだけ。

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両国をつなぐ橋は正方形の籠。中は自動車路、籠の上は単線の鉄道路。そして、我々歩行者は籠の外にへばりつくやっと人一人歩ける幅のテラス状の通路。足元はメッシュ状で歩き疲れた足に冷たいものが這い上がってくる。自動車の通行で揺れがあり、鉄製の吊り橋を渡る感覚である。

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ポルトガルの500kmを歩き終え、残すはスペイン側の 115km。まだなのか、もうなのか複雑な心境である。

 

2016年5月22日

一昨昨日は熊野古道熊野速玉大社参詣。一昨日は熊野那智大社をお詣り。昨日は難所と言われる大雲鳥越を歩き、本日は小雲鳥越を進み熊野本宮大社のお迎えを受ける。三大社とも三度目の出会いで、"伊勢に七度熊野に三度、愛宕さまへは月参"の喩えによると、身をもって信仰心の深さ?を証明できたことになるのか。

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熊野本宮といえばJリーグでお馴染みの八咫烏

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1889年の大水害で、中世以来熊野川中洲にあった社殿は倒壊し現在地に再建された。杉の樹叢の足元の苔むした石垣だけが旧社殿の面影を止めている。

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宿の主人に薦められた地元住民の通う温泉で疲れを癒し、明日からの熊野古道の銀座通り「中辺路」歩きに備え早目に眠りについた。

 

2017年5月22日

 夜行バスで新潟県上越へ。電車に乗継ぎ19日早朝糸魚川に入り、「塩の道」を長野県の松本へ向け歩きだす。嘗て沿岸部と内陸部を繋いだ「塩の道」はあちこちで見られるが、この道のまたの名は「千国街道」。4日目の朝、白馬の麓の宿を出立する。道路の傍の水路を大量の雪解け水が音を立てて流れてゆく。その水を集めた水田には田植えを終えた稲の苗。水面には残雪の飛騨山脈

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青木湖ではノンビリと釣り糸を垂れる釣り人。なんとも長閑な風景である。

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宿のある大町の市街地の入ると「塩の道ちょうじや」の看板を掲げた博物館がある。建物は江戸時代の庄屋平林家。当時の牛方や歩荷の運搬道具や沿道住民の生活道具を展示。

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 「歩荷輸送規約」なる興味深い説明があった。

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古代からの流通路で、運んだものは塩/生・塩魚/諸貨物であるが、中世には文化も運んだとある。生魚は大急で糸魚川/午後4時−午後4時/大町/午後5時–午前7時松本。塩魚は並急で大町まで3日。塩は大町まで大急で5日。松本まで最速で120km/38h=3.2km/h。重い荷物を担いでの歩荷であれば中々のスピードである。因みに、私はこのコースを6日で歩いた。

 

2018年5月22日

 「ル・ピュイの道」はFigeacで三本の道に分かれる。川沿いの道を歩けるvariante du Cele GR651を選ぶ。2日目の早朝路上でカタツムリに出会う。他の巡礼路でも出会うお馴染みさんである。身の回りのものを担いでゆったりと進む姿は他人とは思えない。

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Le Cele川の反対側には岩壁が延々と続く。いかにも脆そうな壁で落石が多発するのか至る所で注意書きが目につく。

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しかし、意に介せず足元には教会や住宅が張り付いている。現在も使われているかどうかは分からなかった。

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前方に人だかりがあり、その上方の岩壁には怪しげなものが張り付いている。

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近づいてみると髭を生やした長髪の男が皆に向かって何か喋っている。近くの人に話しかけてみた。この男性は現代アートの作家で、ここで作品を制作しながら個人ミュージアムで展示している。自分達はバスの団体旅行中で、ここも観光の目的地との事であった。

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バスから取り出されたテーブルの上にはワインやおつまみが載っており野外宴会が始まる。お誘いにより参加し、しばらくの間会話?を楽しむ。ロースピードの旅では思いがけない出会いが愉しめる

宿の人と話していると、鍾乳洞に行くことを薦められた。洞内へ入って暫く進むと集団に出会った。ツアーに参加して見学するらしい。撮影禁止であったが単独行中の貴重な写真である。

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スペインのアルタミラと同様洞窟壁画が見所であったが、それは私の記憶の中に止められた。

 

特別定額給付金のお知らせが届いた。

報道番組で気がついた。マスクはまだ届いていない。