ついでに夕景も
巡礼では朝早くから行動を起こすので感動的な日の出にめぐり合う事がある。しかし、疲れと翌日の事を考え早めに就寝するので、心に残る夕景を目にする事は少ない。地形の関係もあり日本の様な山や海に沈む日の入はほぼ期待できないが、幾つか記憶に残る夕景には出会えた。
最も感動的な記憶は"フランス人の道"の中世の都市Leonの手前の小さな村での出会いである。オスピタレロ(宿の管理人)の勧めで日の入りを眺めるべく、途中のメルカード(スーパー)で夕飯を調達して村外れの荒野に向かった。ポツンと一脚のベンチが有り若い男が一人座りその足元には一匹の猫。
それはそれでちょっと絵になる。彼らが立ち去った後ベンチに座り一人寂しく?食事をとっていると、目の前の空が朱に染まり、その色が手前の水溜りで輝き始めた。雄大な日の入りであるがそれ以上のものではない。
El Burgo Ranero 2012/09/16/18:01
雲が広がっているせいか太陽が厚い雲に隠れると空が暗くなり、このまま太陽は沈んでしまうのかと気がかり。
2012/09/16/18:14
しかし、暫くすると青空が現れ地平線沿いに朱色の帯が戻ってきた。
2012/09/16/18:20
朱色の帯は上方に広がり始めると共に朱色が赤色に変わってゆく。太陽が地平線に沈む瞬間夕景はクライマックスに達した。そして幕が降ろされた。
2012/09/16/18:34
1時間に満たないショーであったが、オスピタレロに感謝の気持ちを抱きながら暗闇の中を宿へと向かった。
先週紹介したスペイン国境近くのポルトガル南部の山上要塞Monsarazでは、日の入りも楽しめた。夕食後に宿の屋上に上がり涼をとっていた。目の前には広大な空をバックに白い塔が建っている。空は時間と共に刻々と色を変える。それに従って塔の表情も変化する。単純な光景だがいつまで見ていても飽きる事はない。
Monsaraz 2013/06/06/20:54
2013/06/06/21:11
イベリア半島の北端をビスケー湾沿いに西に向かって歩く"北の道"で、レコンキスタが始まったアストウリアス地方の町の夕暮れはシルエットの演出で楽しませてくれた。
Muros de Nalon 2014/06/11/21:24
まるで絵本を見ている様な気分になる。
2014/06/11/21:44
Sevillaから"銀の道"を出発し3日目。イベリア半島南部の白い壁が眩しい。その白さは午後9時になっても残っていた。
Castiblanco de los Arroyos 2015/05/23/21:25
しかし、その白もあっという間に消え去ってしまった。まるでマジックを見ている様であった。
2015/05/23/21:30
"Le Puyの道"は途中で三本に分かれる。メインルートではないが川沿いに歩く道を選んだ。左手に岩の壁が延々と続く。何らかの地殻変動により出来上がったものであろう。
Pasturat 2018/05:23/19:06
日が落ちると目の前に立ちはだかるオドロオドロしい壁に変身し異様な風景となる。
2818/05/23/21:21
日の出は太陽が顔を覗かせた瞬間に強い感動を覚えるが、日の入りは夕暮れの時の流れに静かに浸ることができる。