旅での出会い 建築

先日建築家の磯崎新氏がプリッカー賞を受賞したというニュースに接した。建築のノーベル賞と言われ、建築に関心のあるものにとっては喜ばしい出来事である。ハイアットホテルのオーナーが設立したハイアット財団が1979年から毎年一人の建築家に授与している。受賞者の約2割にあたる8名が日本人建築家である。

ところで、海外を旅していると様々な形で"日本"に出会う。どちらかと言えば装飾過多の建築物の中で、シンプルでありながら凛として佇む"日本の建築"が一時の安らぎを与えてくれた。

「北の道」のゲルニカを過ぎると翌日はグッゲンハイム美術館で一躍脚光を浴びたビルバオに到着する。ネルビオン川に架かるワイヤーで吊られた軽快な白色の人道橋ズビズリ橋に接続して磯崎氏の二本の塔のイソザキ・アルテが屹立していた。アルテはバスク語で「門」を意味し、二本の塔がまさに新市街のゲートとなっている。オフィスと住宅の複合建築である。

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バルセロナのモンジュイクの丘の麓の繊維工場がリノベーションによりカイシャ・フォーラムの名の下にイベントホールに生まれ変わっている。白一色のエントランス部分はスペインの濃い青空の下、工場の古い建物と上手く一体化していた。これも磯崎氏によるものである。

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バルセロナ中心市街地のカサ・ミラカサ・バトリョの間に、白い波模様のファサードがガウディ作品に伍して存在感を示していた。プリッカー賞受賞者の伊東豊雄氏のデザインである。

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地中海沿岸のパエリア発祥の地はバレンシア。市街地のはずれに建つバレンシア近現代美術館の拡張計画はSANAA(妹島和世+西島立衛)が手掛けている。お二人はパートナーとして複数でプリッカー賞を受章している。敷地奥の拡張であり、更に展示会準備中の為休館中の為、はるばる訪れたが残念ながら空振りに終わった。

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ところで、もひとつ。先日スマホを覗いているとtenki.jpで日本気象協会の中川裕美子さんが"2日連続の天体ショー"として、月と土星、金星の接近についてコメントしていた。2日の早朝3時半頃月と土星、3日の5時前に月と金星が接近するとあった。正月に月と金星の接近を偶然見かけたが今回もと期待を持って空を眺めた。2日の4時半の東の空には三日月は見えたが土星が見当たらない。離れた右上の方に明るい星が見えたが少し遅かったのか。肉眼では土星の環は見えないそうだが、何となく環らしきものが窺えた。

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翌3日は残念ながら生憎の曇り空。又いつの日かの偶然の天体ショーに出会う日を楽しみに・・・・・