神楽坂再訪
新宿区の妙正寺川、神田川沿いには、綺麗な水を求めて江戸時代から染めの職人の工房が集まり、現在も江戸小紋等の伝統を継承し、地域産業「染めの王国・新宿」として息づいている。
新宿区染色協議会は毎年「紺屋めぐり」と銘打ち、工房の見学、体験、展示のイベントを模様している。残念ながら参加できなかったが、締めとして神楽坂毘沙門天(善国寺)の感謝祭に出かけた。ごくささやかなものであったが、堂内の作品展示には著名な作家のものではないものの暫く"洋の美"に接してきた自分には何か新鮮なものを感じた。説明によると、その主な顧客が公家と武家である事から京と江戸では違いがあったが、最近はその相違は顕著ではないとの事。しかし、素人目の感想であるが武士のイキを感じさせるモノに目を奪われた。
そして、
建物は新しいものであるが冬の日差しを受けた門の丸瓦は趣がある。
神社には獅子や犬に似た想像上の動物「狛犬」が付き物であるが、寺である此処にも鎮座している。それも狛犬ならぬ"石虎"である。毘沙門天信仰から来ているそうだ。
視線を挙げると 植物の影を写し込んだガラススクリーンが違和感なく収まっている。
三年前にも「公園の象」を求めて神楽坂にやってきた。その時同様細い路地をうろつく。
そして、かの国立競技場の隈研吾氏設計の赤城神社に行き着く。ここの狛犬は江戸時代に「加賀白山犬」として持て囃されたデザインを踏襲している。
現在「三百名山」挑戦中の田中陽希の「二百名山」の再放送を見ていると、埼玉県秩父の武甲山頂の御岳神社が紹介されたが狛犬はなんと"狼"である。
野生の動物から作物を守る為狼を守護として祀ったとの事。アバラ骨剥き出しの姿にすざましさを感じさせる。神社仏閣の見所として"狛犬"が加わった。