少年は走る

坂の上から少年が駆け下りて来る。

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6月7日,巡礼のスタート地Le Puy en-Velayを後にして31日目、残り2日でゴールのSaint-Jean-Pied-de-Portに到着する。Aroue/Arueの宿に滞在している。バスク地方に入ったのだろう地名はフランス語とバスク後の併記である。前後の宿との位置関係で歩行距離は18kmで早くも1時前に到着した。小高い丘の上にポツンと建つ宿でさらに上のオーナーの住居以外何も見当たらない。

チェックインまでの約1時間を建物の前で 無為に過ごす。受付の後にシャワーと洗濯を済ませたが7時の夕食までタップリ時間がある。周りには何もないため宿泊者はロビーのテーブル上に置かれた食べ物や飲み物を勝手に手にし、側に置かれた箱にお金を入れて戸外に出る。テラス状の建物の前にはテーブルとイスが並んでおり、購入した飲み物などを口にしながら時を過ごす。途中で出会った人と話し込む人、漫然と風景を眺める人、シエスタを満喫するもの等々。目の前の大きな空に展開する雲は見ていても飽きることはない。

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気分転換にと上に見える住宅に向かって坂を登り始める。前方から胸にrakutenのTシャツを着た少年が駆け下りてくる。しばらく見ていると妹と思われる少女と住宅と宿の間を何度も駆け足で往復している。日常での遊びのようである。

夕食の準備ができ宿泊者全員が屋外のテーブルを囲み待ちかねた食事に取り掛かる。

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食後には色とりどりのチーズが 出され、ワインを飲みながら絶え間のない会話がいつまでも続く。こうした時間の過ごし方は我が日本人には苦手であるが、慣れてくると楽しい時間の過ごし方になる。

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9時を過ぎても未だ明るい。明日を考え三三五五ベッドに向う。単調ではあるが心和む半日を過ごすことができた。