第三十九便 6月12日(火) 晴一時雨
毎日の様にしとしとと降る雨。梅雨の日本を逃れているはずなのに。
地下鉄1号線が動いていない。駅では放送が流されているが分かるわけがない。今日は北駅からアミアンに向かう予定。とっさの判断で雨の中を隣の5号線乗換駅バスチーユ迄歩く。
北駅も古く大きな建物で自分の位置や乗車ホーム等全く分からない。何時もの聞きまくり作戦。ホームの向かい側からアムステルダム行きが出て行く。ヨーロッパにいる事を実感。
アミアンの駅前に1948年に建てられた「コンクリートの父」オーギュスト・ペレの当時の超高層?が屹立する。
13世紀に建てられた アミアン大聖堂の正面の彫刻群は「石の聖書」と言われるだけに圧巻である。あちこちから首を出すガーゴイルが異様である。
ランスの微笑みの天使に対しこちらは嘆きの天使。これかな?。
聖堂内部には見所が幾つも有るが、最も興味を覚えたのは床に描かれたパターン。フランスだからではないがシュールという言葉が浮かび上がった。
例によって高いところに登りこの床を鳥瞰しようとしたが残念ながら 今日は火曜日。観光地のexcept Tuesdayにはご用心。
「北のヴェニス」には水路沿いに古い住宅が立ち並ぶ。ストで滞在時間が3時間と短くなった貴重な時間を急ぎ足で散策。
パリに戻り東京都庭園美術館の様に住宅を美術館に活用している事に興味を覚え、簡単な地図片手に壁の街路名を頼りにやっとこさでたどり着く。そこはギュスターヴ・モロー美術館。扉に日本語で"ドアを押す"とあるが開かない。横に眼をやるとなんと11〜14日はイベントの為closeとある。 °°・(>_<)・°° 絵そのものは勿論、彼の言葉に惹かれた。
「私は、目に見えるものや、手に触れられるものは信じない。心に感じられるものだけを信じます」
明日もスト。5時に明日の運行状況が発表されるので街中を適当にうろついた後に最寄りのサン・ラザール駅へ行き2時間待ちでChartres行きのチケットを購入。今や 待つ事に慣らされ人間観察で過ごす。