スペインの雪

北陸では大雪で大変な事になっている。こちらの大雪?は路上からほぼ消えて、ウオーキングも快適な足運びに戻った。ウオーキングにとって暑さ寒さや雨は日常であるが、台風や大雪は非日常となる。雪の場合当日よりその後が大変である。歩行で踏み荒らされたまま凍り付いた路面は歩き難く、つい歩きやすいと思われる車の轍に脚を踏み入れる。ところが昼間の雪解け水が夜中の零下の気温で露出した路面に薄っすらと凍り付いており、薄暗い街灯の灯りでは気づけない。途端に見事転倒。

住宅街の雪道を歩いているとコミュニティのあり方が窺い知れる。新しい住民の多い建売住宅の続く道は雪搔きが行き届いていない。歩きにくい上何時までも雪が残っている。

転倒と言えば、サンチャゴ巡礼「北の道」ではスペインと言えども雨が多く、整備不十分の粘土質の山道で、そして熊野古道伊勢路では石畳の下りで何度となく転倒した。転ぶまいと悪あがきせずザックの重みを利用して後方に倒れることをやがて学んだ。ザックがクッションとなり、衣服は汚れるが見た目ほどダメージを受けない。

10月、スペインのアンダルシアでセビリヤからグラナダへバスで移動していた時、前方に尾根筋が白いシィエラ・ネバダ山脈が見えてきた。なんとなくこの辺りでは岩石が白いのだと思った。しかしよく見ると万年雪の残雪であった。40度を超える中にいると雪が降るなんて思いも付かなくなってしまう。この雪解け水が降水量の少ないこの地方に恵みの水を提供している。アルハンブラ宮殿ではあちこちで水の演出が見られるが、遥々彼方の山脈から引いてきた水が一年中絶える事なく供給されている。

f:id:peregrino:20180208173636j:image

スペイン  グラナダ  2012/10/04