インスタ映え

インスタ映え」が流行語大賞を受賞した。私はインスタには全く興味を感じない。臍曲がりの私は「〜じゃない!」とか「〜でしょ」と言った自分の美学?の押し付けに我慢できない。そうは言いながら私もこのブログに写真をアップしており、お前も同類だと言われても反論できない。

「生誕100年ユージン・スミス写真展」に出かけた。氏の紹介文には命や医療、ケアに強い関心を持ち「ライフ」誌を中心にフォトエッセイを発表し、フォト・ジャーナリズムに多大な功績を残したとある。生涯の作品が年代順に展示されており、その中にはかつて目にした"シュバイツァー"や"水俣"あった。フォトエッセイによるストーリー性、そしてモノクロによるストレートな訴求力。

代表作「楽園への歩み」を前にした時、このシーンに何を感じてシャッターを押したのかと思いを巡らせた。説明書きには 、太平洋戦争で従軍した沖縄で負傷し故郷に帰った時最初に撮ったもので、被写体は実の子供とある。私の想像は当たらずも遠からずであった。

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写真展のポスター の 「楽園への歩み 1946」

一般には、自分自身のメモリーとして、そして他人に披露して自分の感動を共有してもらおうとして写真を撮ると思う。その為カラーを含め過度の情報を盛り込みがちで、そのため瞬間に感じたものが見え難くなる。かく言う私自身も その誘惑と戦いながらシャッターを押している。

スペインの「北の道」で撮った私の写真に似たようなものがあった。

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「北の道」Bolalba〜Baamonde  2014/06/18

「前を歩く女性の巡礼者は色々なものを心に抱えて一人で歩いているのだろう。そして光の門を潜り抜けるたびに知らず知らずその何かを降ろしながら歩を進めている」と、勝手に妄想しながらカメラを向けたのを覚えている。トリミングなる便利な技で構図を絞り込み、色を消して見た。結果は?

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私も氏の作品に一歩でも近づきたいと思いながら今後もシャッターを押し続ける。