心で聴く
リタイアー後は一生活者として新聞は全国紙から地域紙に切り替えた。その新聞社が主催するフォーラム「知らない 知りたい 沖縄」に出かけた。
基調講演は本人曰く"自民党出身"の翁永沖縄県知事。「本土の人に沖縄県民の傷みを分かってもらえるのは容易ではない。現状では約八割?の人が日米安保容認の意思表示をしている。沖縄並みの基地を引き受けて貰えれば痛みは共有できる。その動きは起こっている。」と述べる。
パネルディスカッションでは、法政大学総長の田中優子氏が「ストレートにではなく、関心の高まっている文化・観光を通じて徐々に理解を深めるのが良いのでは」と提案する。
沖縄問題、そしてカタルーニャ問題は「民族の尊厳」に関わる問題と私は思っている。
後半は沖縄音楽のライブ。若手のミュージシャン上間綾乃さんが「ウチナーグチは分からないと思うが、耳で聞くのではなく心で聴いて欲しい」と前置きして歌い始めた。そして「ウチナーグチに"悲しい"と言う言葉が見つからない。それに近い言葉で」と前置きして「悲しくてやりきれない」を…
ネーネーズで知られた古謝美佐子さんは「ウチナンチューは賑やかではない。情けを尊ぶのだ。」と声高らかに歌う。心で聴けたのか、歳のせいなのか涙がにじむ。
ポルトガルのリスボンでアルファマ地区にファドを聴きに行った。アマリア・ロドリゲスの知名度やファドが漁に出かけた男の無事を願う歌と知らされ女性歌手が思い浮かぶが、ここで聞いた年配の男性歌手の歌が胸に沁みた。歌詞の意味は理解不能であったが心で聴けた。その歌手は店の表に立っていたが、その風貌からてっきり"用心棒"と思い込んでいた。 "Me desculpe"
Cantor de Fado 2013/6/10