旅の安心・安全

最近バルセロナで起きた出来事には少なからず 他人事ならぬものを感じた。

一昨年「銀の道」歩いた後今回がスペイン最後の旅との思いがあり、二週間かけて鉄道とバスで各地を訪れたが、バルセロナでは4泊しガウディの作品巡りをした。その時の宿が事件発生場所から近く、現場付近を何の心配もなく往来していた観光客を日常的に眺めていたのを思い出した。

巡礼を始める前には高齢者の長期にわたる外国一人旅と言うことで、旅先での安心・安全には色々と配慮を巡らせた。いざ出かけてみると コミュニケーション不良以外には国内旅行とは大きく変わったことはなく、日本にいる時のあの煩わしさが無い分心の安定感が得られたと感じた。しかし、今にして思えば日々の行動にある意味での心の緩みがあったのでは無いかと思える。幸いなことに数度の巡礼を無事に終え今に至っている。巡礼は基本的に殆ど他人に出会わない道をたどるので、一人で歩けば何かが起こっても不思議では無い。しかし、私個人の経験としては問題となるような出来事には出会わなかったし、聞き及んだ事も無かった。

「銀の道」の最終日にサンチャゴの大聖堂に向け鉄道を超える陸橋を渡っていると、その鉄柵に花束などで色とりどりに飾り立てられていた。同行していたフランス人の説明で、2年前に77人の犠牲者を出した鉄道事故現場がその先に見えることを知った。そう言えばそんな事があったと言う自分の反応に少なからぬ不安を覚えた。又、犠牲者を悼む品々の色鮮やかさには"私たちは今でもあなた達と一緒だ"と言う心暖かいメッセージを感じた。

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鉄道事故現場を望む陸橋   2015/06/26