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花の命はみじかくて

 かつて江戸・東京の染色産業の中心であった落合・中井地域で先月末「染の小道」と題するイベントがもようされた。中井駅周辺の店舗の入口には様々なデザインの暖簾が掲げられ、裏道には"和"に関連する小物を扱う出店が並ぶ。産業を支えた妙正寺川には反物がたなびき、水面がうっすらと色付いている。着物姿の男女が古い町並みのラビリンスを行き交う。世情を反映してか多くの外国人の姿が見受けられ、それも着物姿が目につく。

決して華やかなイベントではないが、まち全体の空気が"和"で染め上げられていた。

近傍の「林芙美子記念館」に足を延ばす。著作に「私の生涯で家を建てるなぞとは考えてもみなかったのだけれども、(中略)生涯を住む家となれば、何よりも、愛らしい 美しい家をつくりたいと思った」と述べているが、匠に次々と注文を出し作り上げたとのこと。裏話を含めたボランティアガイドの説明は興味深いものであったが、私にとってはコース外の高台からの眺めが最も印象に残っている。

因みに昭和16年に竣工し終の棲家(昭和26年沒)となったそうだが、現代でも通用するモダンさを感じさせる住宅である。

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