ガウディを訪ねて 11–モンセラット20150701

 ガウディの作品に触れた人は間違いなくあの発想はどこから来たのか知りたくなるであろう。その原点と言われているのが、バルセロナの北西60kmのモンセラット(のこぎり山)である。幼い頃から何度となく通ったそうだ。

、スペイン広場駅でセットチケットを手に入れカタルーニア鉄道に乗り込む。登山電車乗り換え駅で下車すると目の前に巨大な"のこぎり"が横たわっている。

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 中腹に"黒いマリア様"に会いたさに多くの信者?がやって来る修道院がある。

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 私の目的地は別の所にあり、急勾配のケーブルカーで上に向かう。ケーブルカーを出るとのこぎりの刃に当たる奇岩がせまって来るが、まだ期待していたものには巡り会えていない。自動車道を進むと途中から山道に入る。急なガレ道の登山モードで、まさかのサンダル履きが悔やまれる。

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 やっとの思いで尾根に辿り着く。眼前に迫り来る自然の造形物である奇岩群に圧倒される。私は表面的なデザインの原点をここに見つけようとしていたが、形そのものでなく自然物が持つ形以上のものを作品に表現しているのだと自分なりに理解した。どうもうまく説明できないので、勝手ながら他人の文章を引用させていただく。

「ガウディにとってもこの山は、単に造形として影響を与えられたというよりも、自然の摂理や自然の凄さを再確認させてくれる場所としてあったのかなと思いますね」 井上雄彦(ガウディと井上雄彦/Casa BRUTUS/マガジンハウスムック)

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誰もいない山上で時間を忘れて奇岩の造形美を堪能し、眼下に広がる麓の景色に心休まる思いがした。

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ふと気がつくと岩肌に人が張り付いているのを見つけ現実に引き戻された。

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下りは周りの景色を楽しみながら、汗をかきかき修道院まで徒歩で下った。ここにも祭壇等若き日の作品があったが見たいと言う強い関心は抱かなかった。