日本のマチュピチュ?
昨日最期の峠「松本峠」無事下りきり、今回の旅の一区切りがついた思いだ。
予想外の峠越えの厳しさには、この「熊野街道」を造った人そしてそこを往来をした人々への複雑な思いが繰り返し訪れる。現代文明に首まで浸かりながら生活しているものが、遊び半分でやって来て、やれ苦しいの街道の整備や案内がなっていないのと思う事にやり切れなさを感じる。
木造三階建てとひまい道(せこ道)
古民家を活用した熊野古道おもてなし館
津波避けの高い防波堤を越え海際に出る。パノラミックな海、ひかる海面そして空を滑空する名も知らぬ鳥。沖から吹き寄せる朝の海風が心地好い。
一面に敷き詰められた小石は長年にわたって波に揉まれ小さく滑らかで、その表情は石それぞれ。
「浜街道」から分離する「本宮道」をバスで走り途中で下車。終えたはずの峠越え再びで「風伝峠」標高257m「通り峠」390m。峠から急階段を登ると突然目の前に現れたのが"日本のマチュピチュ"「丸山千枚田」である。
一望のもとに眼下に広がる階段上の田圃は農民が作り上げた芸術作品である。
峠を下り千枚田へ向かう。田植えを終えたばかりの水面が午後の太陽に輝く。
田植えを終えた田圃では暑い日差しの下黙々と施肥を。話しかけると迷惑げに応える「今年は象虫が出てね。鹿も田圃に入り込むので心配だ」。でも細い紐を張っているだけ。観光資源としての板挟みに悩まされているのだろうか。
田圃の間を曲がりくねった道路が下ってゆく。
テレビ報道等で有名になった為、自家用車で駆けつけたアマチュアカメラマンが三脚のオンパレード、そしてより良い構図を求めて走り回る。観光バスもやってくる。私は後髪を引かれる思いで最終バスに遅れないように彼方のバス停へ一人トボトボと坂を下る。