伊藤若冲

昨日、雨の中を伊藤若冲展を見るべく上野に出かけた。
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多くの人が押しかけているとのテレビ報道を見て人出の少ない平日の午後遅く、しかも雨の日をあえて選んだ。ところが美術館の外まで傘の行列。テレビで頻繁に流される伊藤若冲特集のせいか。美術館の行列といえばマドリードプラド美術館の行列を思い出す。日曜日を除いて18時以降無料で入場出来るのでそれを狙って美術館の横の遊歩道に長い行列が出来る。私もマドリードを訪れる度、昼間の街歩きの後に駆け付けた。入場を待つ間は街ゆく人を眺めたり、側に並んでいる何処かの国の人と喋ったりで結構楽しめる。
係員のアナウンス通り40分で入場口にたどり着く。中に入ると絵画の前には二重三重の人が張り付いていて、遠慮していると下半分は見えない。ちょっと強引に隙間を見つけて隙間に割り込む。約1時間半かけて一通り鑑賞。閉館まで30分。不満解消にと入り口に引き返す。期待通り人はまばら。残された時間お気に入りの作品をゆっくりと鑑賞できた。特に少し離れて全体を眺めたいと思った襖絵は希望通り堪能できた。
若冲絵画の真髄である緻密な描写と色使いは本物でないと味わえない凄さに見とれてしまう。でも私は墨一色で大胆に描いた襖絵に魅了された。特に入り口にの京都鹿苑寺の「葡萄襖絵」が私の一押しである。是非現地で再開したものである。
若冲と言えば生涯独り身であり、「動植綵絵」に代表される様に動植物を好んで描いている。一方ガウディも独身で生涯を終え、表現方法は異なるが動植物を至る所にデザインしている。あえて両者を結びつける気はないが、両者の見つめていたものに結びつくものがあったのではないかと勝手に妄想している。
こうして事あるごとに過去4年間の一人歩きの引き出しを開けて楽しんでいる。
そう言えば「群鶏図」を見ているとバルセロナで出会ったモレラ邸のステンドグラスを思い出す。
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退館時間の5時半になりミュージアムショップを抜けようとすると販売員が大声で叫んでいた。
「お支払いは6時頃になります。」