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ガウディを訪ねて③ーエル・カプリッチョ(奇想邸)

20140604
修道院で一夜を明かし「北の道」を西に進む。今日の行程の途中には訪問を楽しみにしていたガウディの作品がある。スペイン北部のビスケー湾に面した保養都市コミージャスにあり、実業家の夏用の家として建設されたもので、この地方では見られないイスラム風の塔や色彩の強烈さからエル・カプリッチョ(奇想邸)と言う俗称で呼ばれている。1931年31才で手掛けており彼の主要作品では最初期のものである。何故か本人は一度も現場には現れなかったとか。序でに現在のオーナーはなんと日本人の女性とのことである。
開門まで時間があるので付近のカフェで朝食。しかし暫くするとツアー客があちこちで群れ出し、これは見学者でごった返すのではと心配になる。やっとオープンの時間となり入口に行くと誰もいない。結論から言えば中にいた約2時間はほぼ貸切状態で、出会った人は3〜4人位であった。それもそうで一般の観光客にとってはガウディと言えばバルセロナであり、何を酔狂でこんな所までガウディを追っかけては来ない。又ホームページには予約が必要とあり日本から予約を入れておいたが、 それらしいチェックも無かった。私はその酔狂人の一人であった。入口の門扉は予想に反して至ってシンプルであり、後年の如何にもガウディと言ったものとは違ったが、さすが洗練されたデザインである。
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建物の外観は100%通称に納得がゆくものである。生憎の 曇り空の為色はくすんで見えた。青空の下で眺めればもっとインパクトが強いのではと少しばかり残念であった。
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主要なモチーフはレリーフタイルに描かれたひまわりの花と葉で、薄赤茶色のレンガと塔の緑のタイルとの取り合わせは絶妙である。
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バルコニーの鉄製の手摺りも蔦のような植物が繊細にデザインされている。
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建物入口に男性がいて「宜しければ案内をします」と声をかけられた。ビップ待遇で館内を解説付きでゆったりと見て回る。インテリアも見どころであるが、ファサードインパクトに圧倒されたせいか印象はやや薄い。
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もう一つ奇想邸らしい仕掛けがあった。開口部の内側に木製のカーテンがあり、これを開閉すると軽やかなメロディーが流れる。形や色だけで無く音響にも意を注いでいる。これが後のサクラダ・ファミリア教会の建物を楽器に仕立て上げる所に繋がっているのだろうか。
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ガウディは家具のデザインもしており 、 椅子などがセッティングされていた。多分家具は後の時代のものであろうが違和感なくしっくりと収まっていた。
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そして庭にはお決まりの銅像があり、何を見ているのか遥か彼方の空を見つめていた。サクラダ・ファミリアで永年建設に携わっている彫刻家の外尾悦郎氏が「ガウディを見るのでなく、ガウディの見ていたものを見て欲しい」と言っていたのをふと思い出した。
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